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失語症文化論仮説 La hipotesis sobre la cultura de personas con afasia 6章 同人誌活動  抄録版

<はじめに>
言語聴覚士は失語症を含む言語障害を持つ人たちのリハビリテーションを担っている。
言語聴覚士の第1回国家試験施行から20年が経った。2020年の合格者累計では3万人以上に及ぶ。この20年で、「失語症という障害を持つ人がいる」ことを知る人は増えたのだろうか。

失語症の認知度を示すことができたとして、そこに世の中の人と失語症者との意思疎通の状況は反映されるだろうか。

ある病院に所属する経験年数20~30年のベテランスタッフ数名を思い浮かべると、「知らない」と明言こそしないとしても「失語症のことは習ったが、よくわからない」というのが実情ではないかと思われる。

病院のスタッフを例示したが、失語症者と関わりを持つのは医療・福祉関係者ばかりではない。医療・福祉の枠を越えて「失語症あるいは失語症者のことを伝える」活動を検討した。

<方法>
人が自由に集まる場所として、フリーマーケットを検討した。伝える手段を紙媒体とし、同人誌即売会で出品することにした。

作成するうえで、①ホチキス留め可能な程度ページ数に収める、②専門用語を使わない、③医療者、失語症者の視点ではなく失語症者の周りの人の物語とすることを心がけた。

<結果>
2019年の「文学フリマ」に出店した。割り当てブースは長机半分のスペースであった。4作品を提示し、売り上げは9冊であった。ブースの来訪者には失語症(者)の説明を行ったが、説明足らずとなった。

<課題>
「失語症」そのものが専門用語であるため、カタログやチラシには用いなかった。この点は、今後見直していく。

<展望>出店後に本活動は「同人誌活動」と呼ばれることを知った。作品の公開機会を広げるため、2020年4月からnoteに投稿している。

どの研究室にも属していないので、同人誌活動を含む「在野研究」と仕事との両立を進めていきたい。

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