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自分に都合よく解釈しているとややこしくなる


上の記事の続きです。




翌日、メンディーちゃんに服装を注意した上司は休みだった。
それが予めわかっていたメンディーちゃんは、
「今日はあの上司が休みだから、誰も注意してこないだろうし、昨日しまむらで買ったこのカットソー着てきた。」
と言いながら、制服のスカートをはいている。
相変わらず昭和の事務員っぽい野暮ったさを醸し出している。

え?制服と私服のMIXはあかん言われたんちゃうの?とは思ったが
「へぇ~そうなん。」
としか返事しない私。
色々言いたいことはあるけど、黙ってやりすごす。
何言ったって言い訳してくるし、誤魔化すし、その場限りの見え透いた嘘つくし、こっちが気分害するのはわかってるから。
昨日メンディーちゃんの服装を注意した上司はいないけど、もっと上の上司もいるしきっと何かの指導は入るかもね、と思いながらも黙ってる私も性悪よねぇ。

サテンのようなつるつるした光沢のあるベージュ。
うん、確かにジャケットの下に着るようなものを買ったようだ。
デザインと素材はクリアしてる。
しかし黒のカーディガンに合わせていると、ベージュが首元周りの肌の色と同化して、裸なのかと見間違う。(裸にカーディガンを羽織ったように見える)
自分の肌と同化してしまうような、その色の服をチョイスするのも如何なものかと思うんだが。(うまい具合に肉襦袢となってるよ、鏡見た?)
その上、上司が休みだからと言って、居ぬ間にあかんと言われた私服と制服を組み合わせて着ようとする根性もすげえ。


通りすがりにメンディーちゃんを見た人が二度見をしているのが笑える。
そしてその人たちが「え?あれ何?裸?と思ったわ。びっくりした!」
と言っているのもウケる~。


肩も凝らず機嫌よく午前中仕事をしていたメンディーちゃんだが、上司の上のさらにお偉い上司がカツカツとヒールを響かせながらやってきて、(すでにこのヒールの音に怒りが含まれており怖かったw)

「ちょっと、話があるから来てくれるかな。」

メンディーちゃんとお偉い上司は別室へ消えていった。




20分ほどしてメンディーちゃんは自席に帰ってきた。

「なんて言われたの?」

「この上のカーディガンと中に着ているものは大丈夫って言われたよ。」

「他には?」

「う~ん、ヒールの高い靴はダメとか、派手な服はダメとか。
でも、私はそうじゃないし。」

「へえ、そうなんだ。」


お偉い上司がわざわざ下っ端呼び出して、それだけの話で終わったとは到底思えない。
メンディーちゃんが都合の悪いことを隠しているのはよくわかる。
後でその上司が説明してくれたが、

・私服と制服を合わせて着ないこと。
・人に不快感を与えないような装いにつとめること。
・ロッカールームが密にならないために私服での通勤を許可しているので、制服のスカートだけ履き替えるためにロッカールームにきて着替えるようじゃ三密回避対策の意味がない。

メンディーちゃんはこんなことを言われたとは一切言わなかったが、それは自分に都合が悪くて隠したかったのか、それとも本当に理解していないのか、うかがい知ることはできなかった。

そしてお偉い上司は、とても憤慨している様子だ。
「肩凝りが酷いからって体調のことを持ち出されたら、きつくも言えなくなってね...。
本人には言いやしないけど、なにあれ。(ベージュのカットソー)
お相撲さんみたい。(笑)中着てないのかと思ったわ!まぁ色合いはセンスの問題でとやかく言えないけど。
だいたい、昨日、注意されて制服に着替えていたのに、なんでまた今日になって、やったらあかんと言われたことをするのかしら!(怒)」

お偉い上司の気持ちわかるー。
自分の部下がメンディーちゃんに制服と私服の指導と注意をし、その日は制服に着替えて理解したかと思ったのに。
結局それを理解していないのか、上司のさらに上の上司の自分をなめ切っているのか、自分の部下が休みの日にまた自由に制服を着崩して出勤してきたら、恥をかかされたように感じるだろうし、怒りがわくのも無理もない。

でも今はちょっと注意をしても、パワハラとか言われてしまう世の中だ。
特にメンディーちゃんみたいな人間は、被害者ぶってすぐ訴えそうである。

しかし、お偉い上司の辛辣な表現、お相撲さんには吹いた(笑)
スカッとした。




二度にわたり別々の上司に注意を受けたくせに、本人は至ってケロッとしている。
普通なら、二人の上司に同じことで指導を受けたら自己嫌悪に陥りそうなもんだが。(いや、まず一人目に指導してもらった時点で二度としないようにするのが普通か)

「来週何着てこようかなぁ?」とのたまう。

こういう真意の読めない奴、ホンマに嫌い。


ダイアモンドオンラインで見つけた女性の発達障害の記事。
メンディーちゃんまんまやん!と思った。

しぐさや表情から相手の気持ちを読み取れないASDの人は、周囲から「変わった人」と扱われることも増えてきます。ADHDの人も、衝動的で自己中心的な振る舞いが原因で孤立することがあります。また思いつきの発言が多く、人間関係を悪化させるきっかけになりやすいのです。こうして社会の荒波にさらされるようになると、いよいよ発達障害の特性がはっきりしてきます。段取り下手でスケジュールが守れない、予定が狂うとパニックを起こす、遅刻を繰り返す、などです。あるいは、周囲と協調することができない、上司の指示に従えないなどの問題も見られるようになります。



医者でもないので勝手に判断するのもいけないのかもしれないけど、発達障害の志田と長年一緒にいたせいで、それっぽい人がなんとなくわかるのよね。
独特の感性と言うか、話の辻褄の合いにくさとか、表情とかで

あ、この人なんか違う。

って感じるのよ。うまく言えないけど。


ただ、発達障害の人って独特の感性があって目の付け所が一般人と違うというか、いい意味で面白い時が多々ある。
話をしてて着眼点が違うから、結果面白い話になったり、とか。
そういうのがあるから、瞬間的に人を惹きつける要素になってたりする。

ただし一緒に長く居ると、こっちが疲弊してしまうのだけどね。


同僚、それも同じ仕事のパートナーがグレーとくればこれまた難しそうだな。
志田と付き合ったときのようなしんどい思いはしたくないからなぁ。



【今回の気付き/志田とメンディーちゃんの共通点】

・ファッションセンスが壊滅的
・饒舌
・怒られてもすぐリセットされる
・話が噛み合わない