見出し画像

心配しているような言葉の裏側にあるもの

母は目が悪い。
眼科に足しげく通っている。
治っているのかどうなのか知らんけど、先生を信じて目薬を点している。
そして、私に向かっての口癖はこうだ。
「目が不自由って困るわ。あんたも目は大事にしなよ。」

よくそう言う。

母は娘の私を心配して言ってくれてるんだと思うじゃん?

おおそうか。
今日は珍しく目の話は私もあるぞ。

「メガネの度数が合わなくなったからメガネはやめてコンタクトにしたいと眼科に相談に行った。お試しコンタクト入れてもらってきた。わりと良いわー。」
私が話し始めると、

「へー。そりゃよかったな( ̄д ̄)チッ」
と、ちっとも良かったとは思っていなさそうな、面白くなさそうな表情で言ったっきり、その話には一切触れてこない。



ええ?なにその態度、感じ悪!

とは思うが、私はそれ以上反応もせず黙ってる。


結局、母は、面白くないのだ。
コンタクトを入れて視界クリアになって嬉しそうにしている娘を見て、自分はさほど治りが感じられない、コンタクトはできない、そのやっかみがありそう。





母は婦人科系の病気を患った過去がある。
母が子宮を摘出したのが30年前。
あれから時は過ぎ、当時の母親の年齢をとうに越した私が更年期の治療でホルモンを投与しはじめた話をすると、

「私の時はそんなんなかったし!( ̄д ̄)クソッ」
気に入らない様子だ。
確かに昔はホルモン治療なんてなかったけれど、今はある。
ええやんか、治療受けたって。
それが現代を生きる人間の権利だし、医学の進歩やん。

その時母が、「更年期って病気ちゃうし、甘えやし」と言うから、そこで会話は強制終了させてもらったが。




なんだろね、このひとは。
自分がもう受けることができない治療(それも昔はなかった最新の治療)ができている相手に勝手に嫉妬する。
なにかい?自分が病気で不自由な分、娘は楽して治っちゃダメってことかい?
あんたも私と同じように病気で不自由な思いをしてろって思ってそうだ。(知らんけど)
自分より不幸せな人の話が好きなんだろうなって思うのよ。
人の幸せな話は、好きじゃないようだ。

親だからそんなことないわ、と思っていたかったが、最近の母の言動は悪意を感じることがしばしばある。
さらに私は未だ子供の頃の気持ちのままのようで
「親だから(正しい、優しい)」と言うフィルターがかかっているみたいだ。
そろそろ、このフィルターを外して親に「親らしい親」としての振る舞いを期待するのをやめないと、このモヤッとした感情は無限にループするのだろう。
母は子を心配しているようにふるまっては見せているが、結局自身の話に持って行きたいんだろう。

そんな母だとわかってきているのに、私はまた同じことを繰り返し言って同じようにイラつく。


昔から母は体が丈夫な人ではない。
私が物心ついたころから、いつも何かの病気を抱えていたように思う。(詳しくはしらんけど)
私が小さい頃、しんどい、しんどい、そういうは母の口癖が聞こえてくると、息をひそめて母の逆鱗に触れるようなことはしまいと、じっとして過ごしたのを思い出した。
弟や友達と自宅で騒ごうもんなら、ヒステリックに叱られたっけ。
頭が痛いとか、体がだるいとか言っては気だるそうにしてため息ばかりつく母のそばで、触らぬ神に祟りなしということを身をもって知った子供の頃。


今も、似たり寄ったりの状態だな。
51にもなってw


この母とは、どちらかが死ぬまでこのまんまだろう。
もうわかりたいともわかってもらいたいとも、思わない。
親のこと考えるの、疲れた。

他人との関係ならお得意の人間関係リセットボタン押すけど、親となったらそうもいかんのよね。

憂鬱。