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給仕部長がくれたもの

!FAXが届きました!

私の席の後ろにあるFAX機が音声でFAXの到着を伝えてくる。

未だにFAXを使っているなんちゃってSDGsの会社なのである。
紙の無駄を世間に向かってアピールするくせに、世間から見えない社内のやりとりは未だこうやってFAX を使っていたりする。



どれどれと届いたFAXを見ると、○○部長様へと書いてある。

私のデスクの隣に別チームの部屋がある、その部屋の部長あてのFAXだ。






「持って行ってくるわ。」
と私はいつものように席を立った。





ちょうどその時、給仕部長はかわいい籐のかごに入れたお菓子をスタッフに配って回っている最中だった。(だから給仕部長)

部長を見つけてFAX を手渡す。


「おお、きんにくちゃん。ちょうどいいところに来た!」

と部長が言う。




「これ、好きなだけ持って行きな。ちょうどおやつの時間やからな。」

お菓子を持って行っていいよと言ってくれる。




う、う、嬉しい。
気持ちはとても嬉しい。



が、先日こんなことがあったばかりだ。(笑)

【概要】まるちゃんは部長から呼ばれ傍まで行ったものの、てっきりお菓子を貰えるもんだと思ったら、仕事の話で終わったという一件。
それで怒っていたまるちゃん。
そのことについて真剣に怒るまるちゃんにドン引きした私。






おやつがたんまり入ったファンシーな籠を両手で抱えて、にっこり微笑む部長、55歳男性。
そのギャップがすでにおかしい。



お菓子は欲しい(笑)
部長の好意も労いも無にしたくはない。

しかし。

まるちゃんに悟られてはいけない。
この現場も見られてはいけない、と思い、まるちゃんから私たちの姿が死角になっているのを確認し、素早く2ついただいた。



そしてその部屋を出る時には自分の持っていた書類にお菓子を包み、自席へ帰る。





まるちゃんに見つからないようにそ~っと(笑)






だって、部長から貰ったよ、なんて言おうもんなら、

「何で?前に私はもらえなかったのに!!!!ぎゃーぎゃー!!!」

と、騒ぎだすのは目に見えているから。





まるちゃんに見えないように、そ~っと隣のメンディーちゃんに1つわける。

私がそ~っと渡しているのに、その思惑を察することをせずに
「うわ~どうしたん?ありがとうおいしそう!!」
とメンディーちゃんが大きめの音量で言う(笑)

まるちゃんには内緒で貰ったから、メンディーちゃんだけに渡すの!
こっそり食べて!
まるちゃんにバレたらまたうるさいやろ?察しろ!

メモに一気に筆談した(笑)





ちょうどその時のまるちゃんは電話をしていたので、気付かれることはなかったが、ひやひやしたw




なんだよ、この気の使い方w

疲れるっちゅうねん。




お菓子、されどお菓子。
まるちゃんが関わってくると、お菓子が爆弾のように思えてくるw

だからって私も意地悪なので、まるちゃんにお菓子はあげたくないし、あげない(笑)



ひょっとして給仕部長も私と同じ気持ちなのだろうか?あげたくなかったのだろうか?





今日も同僚と、まるちゃんの話になって

「あれだけお菓子食べたがって、人からもらって嬉しそうなのに、自分は一つも持ってこないよね。」
ということ、結論出なかったけどねw






まるちゃんを見ていると強欲なのは人相や所作に現れる、そんなことを思う。

こういうこともいずれ心理学の講義の中で出てくるのだろうな、楽しみにしておこう。