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夜中の2時に電話が鳴る

昨日の記事を書いていて思い出したことがある。

後々でわかることなのだが、志田はその倉庫をリフォームして自室にしていたようだ。
布団もTVも置いて、仕事の機材もそこに置き、母屋には嫁と子供が居ながらその離れに建てた自室兼倉庫で、私と電話をしたりチャットをしたりしていたようだった。
その自室にいることで、家族がいる雰囲気を一切消し去ることが出来、私も志田が独身だと思い込んでいたのだ。
どおりで夜遅くに長電話できるはずだよ。




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志田と遠距離恋愛していた頃。

その日は夜中まで起きていた。
12時頃まで志田と電話していたし、その後ドラマを観たりしていた。
起きていたのは私ひとりで、家族は全員寝ていたはずだ。

深夜2時。





いきなり家の固定電話が鳴る。

ビクッ!


家族みんなが起きてしまう!と思いすぐさま受話器を取る。


…………。


こんな時間の電話だ、こちらから声を発したくはないので息を止めて無言で相手の出方をみる。


…………。プツッ。ツーツーツー。
無言で切れた。








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中絶から時間が経ち、メンタルも落ち着いてきていた頃だった。
志田からは離婚したと聞いており、不倫じゃない関係を満喫していた時である。(この時は子なし夫婦の離婚だと思っていたが、そもそも離婚なんかしておらず、私が中絶をした同じ年に奥さんは出産していたんだけど。)

ある日志田は私に言った。付き合いも7年ぐらい経った頃だったと思う。
「嫁とは別れた。だから結婚しよう。」
その言葉に私は酔った。嬉しかった。
やっぱりこの男は私が必要なのだ。そう思うことで優越感に浸った。
しかし、嬉しかったけど結婚の話は濁し続けた。私に結婚願望は全くなかった。娘を持つ母親特有の考え方なのか、それとも私が考えすぎるタチなのかはわからないが。娘(わが子)から見た血の繋がらない父親という人間を完全に信用できない自分がいるのだ。小さい頃はかわいいかわいいと育てていればいい、でもいつか女として子供を見るようになり、痛ましい事件が起こっているのを見聞きすると再婚なんてできないと思っていた。そういう意味で志田をパートナーとして信用しきれない自分がいる。それに相手が誰であろうと、娘が独立するまでは再婚なんてありえないと思っていた。

最後の恋愛があまりにもダメージ強すぎて今や男嫌いのステータスまできた。②より抜粋




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「もしもし?今さ、0%236#45〆1って番号から家の電話にかかってきたんだけどなんだろ?怖い!」
夜中の2時だが、志田に電話をした。

「え?…。0%236#45〆1ってこの番号からかかって?……。」


しばらくの間を置いて志田は









「別れた嫁の家の番号や。ごめん、こんなことするなときっちり言うとくから。
どうやってお前の自宅の番号知ったのかはわからないけど。」



「ふーん、そうなんだ。」
志田の話を疑いもしなかった。
その後今の今まで、夜中の電話も無かったので忘れていたのだ。

そう、今の今まで。




この時の志田は、離婚など最初からしておらず、子供が生まれ幸せな結婚生活をし、傍らで私と不倫をしていたのだ。
嫁とは別れたと嘘をついて。

自分の妻が不倫相手の自宅に深夜電話をかけるということ、この行為に対して夫である志田は、妻にどういう上手い言い訳をし諭したのかは知らない。
実際その後、奥さんからなんのアクションもないのだし、長年に渡り私と交際ができていたことを考えると、きっとうまく丸め込めたんだろうと想像できる。
他人の固定電話に深夜2時に電話するという行為は、何かの疑念がなければ、何かしらの怨恨がなければしないように思うのだけどね。


その発信された電話番号は、志田の住む家の固定電話なのだ。
そんなこと、ちょっと調べたらわかるようなことだったのに、私は一切調べもしなかった。すっかり信じていたから。


志田は、その場、その場で嘘をつき、妻を裏切り、私をも裏切っていた。
所詮、不倫をする男などというのは嘘に嘘を重ねる不誠実な奴なんだよ。


志田と出会って、深い仲になった後ぐらいに私が離婚した理由を話したことがある。
離婚の理由は1つだけではないし、いろんな要因が絡まって至る訳だが、その当時の私はどうしても許せなかったことがあり、それを話した。
今となっては、笑えるんだけどね。あの頃は若かったってことで。

私の妊娠中に、旦那はひと回り年下の21歳の子と浮気をし、
「浮気の一つや二つ男の甲斐性や!」
と豪快にのたまい、関係を止めなかったのだ。(私25歳旦那33歳)


「ひどい話でしょ(泣)」
と志田に言って同情を誘っていたのだ。
その話をする度に、
「妊娠中に浮気とか最低な男やな。俺なら浮気なんか絶対しないけどな。」
と言っていた、今となってはどの口が言うてるんや!とは思うが。
志田は、奥さんの妊娠中に私と浮気をし、私を孕ませ、年齢を偽っていたのだ。
いいご気分だったことでしょう。


自分がやっていることと、私から聞く酷い話が酷似しているとは思わないんだろう。

息をするように嘘をつき続けていて、志田の心は奥さんや子供や私に対して痛むことはなかったのだろうか。

他人の気持ちを推し量ることができる奴ではなかったので、きっと心は痛んでなかろう。

いや、おそらく、嘘をついているなんて意識もないままだったのかもしれないな。

発達障害だからと全てそのせいにするつもりは毛頭ないが、人の気持ちに寄り添えない、推し量れない、想像ができない、こういう人間だからと言って、許せないものは許せないし、許す気もない。



今となっては、ホント、嘘だけはつかなかった(浮気を認めて男の甲斐性だというのもどうかと思うが)元旦那が潔くてマシだなと思う。
人間、嘘つくなら墓場まで持っていける嘘しかついちゃいけない!(笑)