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喧嘩両成敗

例の、人間関係拗らせパートおばちゃん。

仕事の面では、傍から見ているだけだが、苦戦してそうな感じはある。
上司の猫又からレクチャーを受けている段階ではあるが、この研修期間が終わる頃が楽しみだ。(いろんな意味で)
もうすぐ年金をもらえる年齢らしいが、彼女がこれから始めようとする仕事は、彼女が今まで携わってないIT系のサポートの仕事。
前職はデパートの売り子さんだったらしい。(ずいぶんと畑が違う)
使うシステムは早い頻度でバージョンアップしていくので、この手の仕事はもともとITや電子機器などに興味が無いと難しいだろうと思う。(実際なさそう)
適材適所と真逆の人事やんけ、と思ったのは私だけではないだろう。
万年人手不足だから、もう一人入れてほしい、とずっと思っていたけど、モノにならなくて足引っ張るような人間がもう一人入るくらいなら、現状のままがいいと、思う。
おばちゃんが、戦力になるか否か。

コミュニケーションの面では、今のところは、おとなしい。
たまにマウント取るようなモノの言い方をするのが癇に障るが、事前におばちゃん要注意情報を得ているので、想定内だ。
だからって、言われた方は腹立つけどな。
何度か、怒りが込み上げることがあったが、アンガーマネジメントでやりすごす。
私は性格が悪いので、おばちゃんには優しくできていない。
言い方は、はっきり、くっきり、ぱっきり言い切る感じで、言葉尻を切るようにあえて発言する。
この様子は「きんにくちゃん、きつい」と思われているだろうが、優しくできないんだよ、既に聞いた悪評「先入観」があってw
極力関わらないように、バリアを張っている感じだ。
それに、このおばちゃんに好かれたいとも思わないし、仕事以外の話はしたくないし、彼女が仕事を全うしてくれたらそれでいいと思ってる。




なかなか悪評と言う先入観を取り払えやしないわねw

そんな中、おばちゃんの様子について、どんな調子なのかと上司に尋ねられた。

先に書いたようなことを、搔い摘んで話した。
そして

「どうしても、獅戸さん(おばちゃんに嫌がらせされた人)の話を聞いているし、酷いこと言う人なんだなという先入観があるから、私も構えてしまいますね…ハハハハハハ乾いた笑い


「獅戸さんの話しか聞いてないんだろ?おばちゃんの話は聞いてみたらいいよ。喧嘩両成敗っていうだろ。なにかしらあんねんて。どっちかが悪いってことないんちゃうかな。」

この上司の冷静な言葉に、ハッとする。
そうだ、たしかにおばちゃんの言い分は全く聞いていないわ。(聞くほどの仲でもないが)
おばちゃんの言い分を聞いていないのに、他の人から見聞きしたこと聞いて私の先入観を大きくしていただけだった。
どうしても【獅戸さんを追い詰めた性悪】というレッテルが頭をよぎって、
ムキー!ってなってたんだ。

そうか、そうだよな。

上司の意見は一理ある。

上司と話した後、ほんの少しだけ、おばちゃんに対しての見方が変わった。
(だからって、好きにはなれんし進んでコミュニケーション取りたいとも思わないが)


こういう気付きが起きた時、「あ、心理学的にはこういうケースはどういうこと?」と考えるようになっている。




それで、思い出したのがジルボルト・テイラーの話。
脳卒中で左脳の機能を失った彼女が、8年間のリハビリの末ようやく回復を見せてきた当時を振り返っての言葉。

左脳が回復するにつれ、自分の感情を他人や外部の出来事のせいにする方が自然に思われてきました。でも現実には、自分の脳以外には、誰も私に何かを感じさせる力など持っていないことを悟ったのです。外界のいかなるものも、私の心の安らぎを取り去ることはできません。それは自分次第なのです。自分の人生に起きることを完全にコントロールすることはできないでしょう。でも自分の体験をどう捉えるかは、自分で決めるべきなのです。