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メンバーにレターを書くのは難しい

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

筆不精こいていたら、2月も末になってしまいました。


新年になって、新しく始めたことは特にない。

何歳になっても何かを始めることはできる。

それは理屈の上では正しいが、なかなか腰が動かないのが現実だ。

そんななか、2024年に入ってから初体験したことがある。

アイドルに「レター」を送ることだ。


アイドルグループこと坂道グループにおいては、「トーク」という文化が存在する。

(他のアイドルグループについては、私が詳しくないので、興味があればその界隈の人に訊ねてみてほしい)

「トーク」とはアイドルが配信し、ユーザーが読む「メッセージ」だ。

しばしば、#naotalk とか #shihotalk とかがトレンドにいるが、それは、そのトークに関するリアクションポストをオタクたちがするからである。

なお、talk というハッシュタグだが、CMによると「メッセージ」が正式な名称のようである。


この「メッセージ」アプリ(以下、アプリとする)は、メンバーからのメッセージをユーザーが読むことを主眼としている。

メンバーは、おそらく専用のアプリケーションを使ってメッセージを作成して送信する。それをスタッフが検閲し、OKが出ればユーザーのもとに送信される。ユーザーはそれをLINEメッセージみたいに受け取る。

アプリではメンバーごとに均一料金での課金制をとっており、一定料金を払うことで、メンバーからのメッセージを受信=購読できる。


さて、読むことが主眼といったが、アプリにはそれ以外の機能がある。

例えば、メンバーの番組出演情報などのニュースをPush通知してくれたり、メンバーのブログが一覧で見られたり。

そしてそのなかに「レター」機能がある。

これが、今回タイトルにも付した「難しい」。

どういうことか。これから説明していく。


「レター」とは、ユーザーからメンバーに対してテキストを送信する機能を言う。メッセージは、ポストカードのようなデザインのカードにテキストを付与する形で送信できる。

「レター」は一通につき一定料金の課金制である。

もちろん、アイドルと1対1で会話できるわけではない。

おそらく紙媒体のファンレターと同様に、何らかの形で、まとめてメンバーのもとに渡ることになるのだろうと想定される。

なのでここでは「電子ファンレター機能」と思っていただければ、認識におそらく大きな乖離はないかと思われる。


そんな「レター」になんの意味があるのだろうと思うだろう。

私も、その口だった。

私は正直言って、アイドルに「認知」されたいわけではない。

私のアイドルを見る目的の大部分は「コンテンツ」としての消費が占めており、メンバーはそのプレイヤーでしかない。

ドラマの登場人物が私たちを認識できないように、メンバーたちが私たちを「まなざす」ことを前提としていないのだ。

だから、私のテキスト、文章が彼女らの目に触れたとて、という思いを持っていた。


しかし、それを揺るがすようなことがあった。

応援しているメンバーすなわち推しメンの「ミーグリ」(オンライン握手会=お話し会みたいなもの)が全完売したのだ。

「ミーグリ」は、メンバーごとに時間枠が設定されていて、多く売れることや早く完売することはメンバーの人気の指標とされる。

私の推しメンは、とても人気があるわけではなかった。

しかし、私が以前長文の感想を書いた「新参者」というライブでファンを掴み、その「全完売」を成し遂げたのだった。


彼女が泣きながら感謝の「着信」(ボイスメッセージ)をくれたとき、どうしようもなくこちらも嬉しくなった。

まさに、「推しの幸せはファンの幸せ」という現象が私にも発露した。

だから、お祝いをしたいと思った。

しかし、上述の通り、私はアイドルからの「認知」を求めているわけではない。だから、「ミーグリ」というイベントにも食指が動かない。

それに、彼女はその「ミーグリ」が全完売しているのだから、そもそも私が「ミーグリ」でお祝いを告げることはできない。

(私はライトすぎるオタクなので、アイドルに落とす金が極端に少ない)

そこで候補に上がったのが「レター」だった。


しかし、書いてみて、それがとても難しいことに思い至った。

そもそも「カード」の上にテキストを付与すると述べたように、「レター」で送ることのできるメッセージの分量には限りがある。

その中で、いかに印象的なメッセージを書けるか。

それが勝負どころだった。

もちろん、ありきたりな、有象無象に埋もれるメッセージでもいいだろう。

なにより数が彼女を鼓舞するかもしれないし、「認知」されないという私の指針にも合致する。

だが、ありきたりなメッセージでは、この感動を伝えることができない。

祝福を、この感動をもらった感謝を伝えきれない。

一方、味を出そうとしすぎてもダメである。

それは「認知」というところに衝突するというのもあるが、単純に、我を出しすぎた文章は、彼女を祝福するという目的に合致しない。

そのせめぎ合いの中で、何度も文章を推敲した。

さながらそれは、中学生のラブレターの書き方みたいだった。


それから、何通か「レター」を送った。

それは気恥ずかしくて、どうにもうまく書けない。

スガシカオはお酒を入れて歌詞を書いたというが、私も下戸なりに、朝方の寝ぼけているときとか、そういう頭がまだ機敏でない時間でないと書けない。

それでも、文章としての仕上がりは求めてしまうからなかなか書き上がらない。


メンバーに「レター」を書くのは難しい。

私は、3期生の髙橋未来虹さんと、4期生の清水理央さんを応援しています。

(2期生の松田好花さんと、4期生の藤嶌果歩さんも)

「WE R!」行きます。

金をかけないくせに、私もどっぷりオタクなのだ。

(その代わり、あまり文句を垂れていないつもりなので、許してほしい)


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