休日のファッションどうすべきか問題
最近、会社に行くのが憂鬱で仕方がない。
元々、この会社が好きです! というタイプではなかったが、今年度に入ったあたりから特にひどく、その傾向は強まる一方だ。
その原因については思うところがないわけではないが、今回は特にそれは掘り下げない。
さて、この会社嫌い――仕事にやる気が出なくなるのは予想通りとして、ほかにも思わぬ弊害を私にもたらした。
会社に行くのと同じ服で休日を過ごしたくないという気持ちが、尋常でなく高まっているのだ。
ファッションに無頓着な私には、これはまったく想定外のことだった。
平日はスーツや作業着で過ごしているならば話は楽だ。
しかし会社ではオフィスカジュアルが推奨されていて、かつ私の場合は部門の方針でそれがマストになっている。
だから、私服イコール差別化とはいかないわけだ。
また、私は会社に無難な格好でいくことにしている。
なるたけ目立たないように、なるたけ服で要らぬ反感を買わぬように。
それが、私のコーディネートの主眼なのだ。
チノパンツにシャツとか。あるいはそれにセーターを着るとか。
平日と休日の格好がかぶらないようにする、ということは、この無難な格好を自ら捨てるということを意味している。
この悩みで厄介なのは、私がファッションに興味があるわけではないことだ。
もっとクローゼットのアイテムを増やしたいと思わないので、手持ちのカードが少ないままで服装を考えることになる。
あとは簡単な数学の話だ。全体の数 n が小さいほうが、出来る組み合わせの数も小さい。つまり、かぶりやすくなる。
夏はまだ良い。
会社には着ていかないと決めている柄物のシャツを着ればよいからだ。
しかし、秋から冬にかけてはそうはいかない。
シャツだけだと寒くて、その上にちょっとなにかを着る。たとえばセーターなんかを。
するとどうだろう。平日の格好にそっくりな出で立ちの完成である。
これは戦いだ。
休日を、憂鬱な平日に侵略されないための防衛戦だ。
休日のファッションどうすべきか問題は、毎週末私を悩ませる。
私には二つの選択肢がある。
一つは、『服を着るならこんなふうに』を読むこと。
もう一つは、会社を辞めることだ。
これは私個人の問題だ。
だから私が、会社の憂鬱さが起点だと思えば、これはキャリアの話になる。
しかし上記の通り、私は興味も薄いくせにファッションの問題として考えてしまう。
そうすることで、キャリアという気が重い問題から逃避しているのだ。
「休日のファッションどうすべきか問題」は、個人の問題から目を逸らしてしまうという問題でもある。
そして真の闘争領域は、平日と休日の狭間やファッションの知識ではなく己の覚悟の周縁なのだ。自分の人生の舵取りをする、という覚悟の。
覚悟はいいか? 私はできていない。
あ、そうそう。
なんか、ファッションは、困ったら黒スキニーでYラインらしいですよ。旦那。
【今回の一曲】
ネクライトーキー/オシャレ大作戦(2018年)
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