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大学生、大地に立つ 21

地元大好き

僕は日本一有名な僻地群馬に住みながら東京の大学に通っています。
群馬というのは非常に話のネタになるものです。
自虐ネタで笑いをとったこともしばしば。
大学は日本全国から生徒が集まる出会いの場というのは皆さんご存じのところかと思います。
地元の観光地の話になると「群馬なんか爺さん婆さんが行くような所しかないから」の一言でまず一盛り上がり稼げます。
そんな自虐をたくさんしている僕ですが、地元愛もこれはまた溢れています。
現役生の時に神奈川に住んでいましたし今も東京に通っていて痛感するのは、群馬は圧倒的に住みやすくていい土地だということです。
コロナ禍で移住ブームが巻き起こりましたが、とある移住希望地ランキングで群馬は2位にランクインしました。
都心に住む人も一目置くのが現在の群馬となっております。
群馬のいいところを挙げ出したら熱くなってしまうのですが、都心の方にお勧めするとすれば、交通の便の良さです。
車があれば基本的にどこでも行けますし、関越自動車道をはじめとした高速道路が三本ほど通っています。
高崎駅は湘南新宿ラインや上野東京ラインなど高崎線の始発駅となっていて、新幹線も乗り入れるので他県への交通も心配ありません。
さらに駅周辺の生活環境の充実も挙げられます。
駅から直結で高島屋とOPAに行くことが可能ですし、北関東地域では最大規模の芸術ホールとコンベンションセンターがあります。
今月にはキタサンロックというロックフェスが開かれますし、観光都市としての発展も図っています。
まさに群馬は北関東最大都市と言っても過言ではありません。
観光資源としては、草津温泉、伊香保温泉、四万温泉や猿ヶ京温泉など地下資源に恵まれています。
草津温泉には星野リゾートが進出しましたし、裏草津など今までアピールしてこなかったスポットも急激に発展しています。
そして切っても切り離せないのが工業や商業です。
ハーゲンダッツやケロッグの日本唯一の生産工場は群馬にありますし、信越化学工業やP&G、日本精工、サントリー、富士重工、いすゞ自動車、マンナンライフなど挙げ出せばキリがないほど、日本有数の大企業の営業所が群馬に集中しているのです。
クロネコヤマトホールディングスはEV化に向けた施策として群馬県への多額の投資を決めましたし、KDDIホールディングスは再生可能エネルギー研究のための投資先第一号として群馬に先行投資することを発表しています。
さらに、日本ミシュランタイヤやIHIエアロスペースが太田市に本社機能を移転し、NTTは機能分散地に太田市を選び、ファッションメガネを日本に文化として根付かせたJINSもサテライトオフィスの建設を決定しています。
今や日本経済の中心地になりつつある群馬ですから、なるほど移住先に希望する人が増えるのも納得のところです。
商業面では、COSTCOやIKEAなど海外の人気チェーンが出店しているだけでなく、ユニクロ新業態の運営第一号に群馬県が選ばれ、他県民からしても非常に魅力的なものとなっています。
こんにゃくパークやめんたいパークなど、楽しみながら買い物もできるスポットもあり、日本国内からの旅行客はもちろんインバウンドの恩恵も受けており、飛ぶ鳥を落とす勢いの発展を遂げています。
今のところは東京か神奈川で就職しようと考えているのですが、仮に群馬を出たとしても、絶対に帰郷するという信念があるほどに、僕は地元が大好きなのです。
現在地方では過疎化と高齢化が深刻な問題となっていますが、今一度自分の地元への関心を持つことが大切なのだと、僕は感じています。
地元ラブ、群馬ラブ。

都心で生活する人に思うこと

散々地元愛を語っておいて、やっぱり都心部の方が良いだろうという人の言い分もすごくよくわかります。
上京した友人が帰省した時「群馬はつまらない」と言いますが、その気持ちはよくわかるのです。
確かに働いてお金を稼ぐなら都心部にオフィスを置く企業の方が賃金は高いでしょう。
遊ぶ場所も買い物をする場所も地方よりは充実してますし、音楽ライブやその他興行も都心で行われることが多いのが事実です。
しかしながら、東京都の昼間就業者は1018万人、昼間通学者が186万人、流入人口が336万人と、東京には地方出身者が実に多数いることがわかります。
つまり東京というのは地方出身者の集まりであって、地元を捨てた人の大半が「東京っていうのはな」と講釈を垂れているということになります。
僕はそれが気持ち悪くて仕方がないのです。
所詮田舎者が東京や神奈川を自分の庭のように扱い、地方を馬鹿にする現状。
これは日本にとって由々しき問題ではないでしょうか。
「群馬はつまらない」という群馬出身者に対して、東京に通い汗水垂らす僕は所詮田舎者のかぶれだと思っています。
本当に気持ちが悪い。
ですが、実際にアンケートが示す通り、我が地元群馬は移住希望先ランキングで高い順位に位置していますし、一位静岡、三位栃木など、都心を知っている人ほど、地方の良さを知っていて、地方都市にもそれが故の良さがあると僕は思っています。
私の知り合いは福島出身で群馬の大学に進学し、世田谷区役所に勤めていましたが、群馬から新幹線で通っていました。
所詮は田舎者の虚勢だと笑われるかもしれませんが、これを読んでいる東京在住の人も地方出身かもしれないわけです。
移住しろとかそんなことを言うわけではなく、地元愛を捨てないこと、地方の商業や政治、抱えている問題に目を向けることが大事だと思うのです。

ネット文化の闇

僕はさほどお笑いに興味があるわけではないのですが、最近は暇な時にバラエティ番組を見るのにハマっています。
アベマで配信されているチャンスの時間やしくじり先生など、漫才やコントというよりはトーク系やネタではなく企画をやったりする番組が好みです。
今回は先日しくじり先生で取り扱われたテーマについて僕なりに書いていきたいと思います。
皆さんはWinnyをご存知でしょうか。
Winnyとは、とある研究者によって2002年に作成されたファイル共有ツールで、P2Pを用いており当時としては革新的なソフトでした。
現在で言うYouTubeの走りとしてネット界隈では知られています。
そのWinnyが国家を揺るがす大事件を招きます。
当時のインターネットでは、ファイルデータを共有するために毎回サーバーを介して行う必要があり、非常に時間がかかっていました。
世界中の技術者が高速化を試みましたが、どうしてもサーバーの問題を解決することができず、頭を抱えていました。
そんな最中、2ちゃんねるのある投稿がきっかけで、世界は大きく変わります。
当時、東京大学院情報理工学研究助手の金子勇氏は2ちゃんねるにて、掲示板利用者のためのファイル共有ソフトの作成を宣言します。
スレッドを見ていたネットユーザーは懐疑的な発言をしますが、金子氏はたった一ヶ月でソフトを完成させてしまいます。
それに歓喜したユーザーは当時一般的に用いられていたWinMXを捩りその後継としてWinnyという名をソフトに与えます。
その利便性と革新的な技術により、Winnyは爆速的に普及していきます。
Winnyの仕組みを簡単に説明すると、ソフトの検索欄に自分が欲しいデータの概要を入力すると、そのデータを持つネットワーク上のパソコンを探し出し、最短距離でダウンロードするというものです。
これはサーバーを介さずに行われるため、通信の速さはもちろん匿名性の高さも非常に有用な点です。
しかし、当時はネット文化黎明期だったために、使い方をよく理解していない人もたくさん利用しました。
それによって起こってしまったのが、著作権侵害、児童ポルノや無修正アダルト動画の投稿など、次第に社会問題へと発展していきます。
ゲームソフト、映画やドラマなどの映像作品、さらには公開前の作品などもWinnyにアップされ、もはや無法地帯となっていました。
そんな現状を知った金子氏は著作権侵害を行わないようにする旨を発信しますが、効果はなく、著作権侵害は横行していくことになります。
「他の人がやっているのになんで自分は駄目なのか。」
当時の人はきっとこんなふうに思っていたことでしょう。
今ほどネットが普及しておらず、サブスクの文化もなかった当時、たとえば見逃したテレビ番組をWinnyに投稿した人はそれだけで英雄になれたわけで、人から求められる爽快感と充実感はなかなか手放せる物ではありません。
僕自身、そういった自己顕示欲はありますし、それを否定するのは愚かなことだと思っています。
しかしそれを許し過ぎてしまった結果、ついにWinnyを用いて著作権侵害を行なったとして逮捕者が出てしまいます。
作成者の金子氏宅にも家宅捜査が入り、京都府警の不当な捜査によって著作権侵害幇助の罪で逮捕され、パソコンは押収されます。
そして、金子氏の無罪を勝ち取るための裁判が始まります。
そんな最中、Winnyが金子氏の手から離れてしまったことで、Winny上へウイルスが散布されます。
詳細な説明は省きますが、ウイルスに感染すると自分のパソコンに保存されているファイルが勝手にWinny上に投稿されてしまいます。
それによってカップルが遊び半分で撮影したような性行為動画や重要な国家機密が流出してしまい、政府がWinnyの利用をやめるようにアナウンスするまでの大きな問題になりました。
金子氏は裁判にて「ウイルスが横行しているが、それを対策するソフトは作れるか」という問いに対して「五分あれば作れる」と回答しました。
しかし裁判中で金子氏がパソコンを使うことができず、ウイルス修正パッチを配信することができなかっために、ウイルス問題を対処することができず、ただただ情報の流出が進んでいくという悪循環に陥ったのです。
さらに、金子氏の逮捕により日本の技術者はソフト開発に消極的になりました。
結果的にアメリカではYouTubeやTwitterなど現在でも利用されるツールが開発されるなど、日本の情報技術産業における技術革新は先進国に著しい遅れをとることとなりました。
最終的に金子氏は無実を勝ち取りますが、それまで約十年を費やすこととなり、その時間はあまりにも長過ぎました。
このWinny事件の大きな問題点は、利用者はもちろん、日本国家全体としての無知が招いたネットリテラシーの欠如にあると思っています。
Winny事件の最中にもマジコンという違法なゲームコピーツールについて訴訟が起きたり、数年前に海外のアダルトサイトにおける無断転載が話題になりましたが、モラルを持ったネット利用をすることが非常に重要です。
現在はIT分野の法整備が整ったことや、ネットにおける著作権保護の知識の深まりによってWinny事件のような惨劇は起こっていません。
ですが、世界的先進国である日本は、情報分野において未だ欧米諸国や中国、韓国に遅れを取っています。
経済的側面から見ても、Winny事件はあってはならないことでした。
Winny事件が起こらなければ、YouTubeはWinnyだったかもしれないのです。
このWinny事件を、狩野英孝さんがわかりやすく、かつ面白くしくじり先生で話しているので、ぜひご覧ください。
ちなみにABEMAの有料会員になる必要があるため、お財布に余裕があればの話ですが。

久々の長さ

なんだか久々に長く書いた気がします。
執筆画面に表示される文字数は、この時点で4700文字を超えているため、原稿用紙23枚分以上は書いていることになります。
小学生の頃は作文が大嫌いでしたが、文章は意外と書ける物なのだなと大人になった今痛感しております。
今回はこの辺で悪しからず。
長々と駄文を失礼しました。


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