見出し画像

【ガンパウダー・ミルクシェイク】「残虐でお馬鹿で大真面目な女ヒットマンムービー」

・ナヴォット・パプシャド監督が描く女性達によるアクション映画「ガンパウダー・ミルクシェイク」を鑑賞して参りました。

・先に言います。映画としてはまあイマイチでした。この手の作品で使い古された脚本、そして全体的に作品を間伸びさせているカットの数々からはまあ退屈さを禁じ得ない。だがしかし、本気でアクション映画をやってるから見てくれ!!!という全力な想いは画面一杯に感じ取れる作品となっています。

・この映画は所謂、「キル・ビル」ライクな作品だ。映画の中で当人達は大真面目だが、観客からすると過剰演出過ぎて笑ってしまうハイアクションを繰り広げる。一応昨今のフェミニスト系映画に属するスタイルでありながらも、それを皮肉るタッチでひたすら屈強な男達が強烈で残虐に殺害されていく姿勢は非常にユニークだ。他の作品も例に挙げると女性版ジョン・ウィックと言っても差し支えないかも知れない、それは脚本の粗雑さの類似も含めてであるが…。

・良い意味でのくだらないアクション映画であり、脚本にとやかく言うつもりは無いからただ闘いを見せてくれ!という人達にはうってつけの映画といえる。スカジャンを着たクールでカッコいい長身姉さんサム(カレン・ギラン)がマフィアのチンピラや他の男殺し屋を相手に大乱闘を演じるのは中々に爽快。勿論、サムの母親であるレナ・レディを筆頭にした叔母さま役者陣による殺陣演舞も最高だ。

・期待して観に行くと少々肩透かしを食らうかも知れないが、こういう映画であると認識した上で挑めばそのジャンクさの虜になる事間違いなしだろう。

・荒削りな部分も多いが今後のナヴォット・パプシャド監督の活躍を期待してしまうアクション愛に満ちた本作。ビジュアル面では文句なしで楽しめると思いますので、是非劇場でその死闘を堪能してみては如何でしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?