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『The Last of Us』ペドロ・パスカルの履歴書

大ヒットゲームを原作とする米HBO Max製作の海外ドラマ『The Last of Us』が、早くも2023年最高のTVドラマと話題になっている。全米だけにとどまらず、ここ日本でも話題沸騰中の同作で主演を務めているのは、ペドロ・パスカルである。かつてメガヒット海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でオベリン役を演じていた彼が、いま、凄まじい人気を獲得している。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのパスカルの素晴らしい演技の数々を振り返る!


ペドロ・パスカルってどんな人?

ペドロ・パスカルは、1975年4月2日チリ・サンティアゴ出身。
名門ニューヨーク大学の芸術学部ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで演劇を学び、1996年に短編作品で俳優デビュー。
数多くのTVドラマで端役を演じ、経験を積んだのちに、2009年に出演した『グッド・ワイフ』で注目を集める。
映画『アジャストメント』(2011)などへの出演を経て、2014年には驚異のメガヒット海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演した。

そのカリスマ性あふれる演技で大ブレイク!『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2019)

鉄の玉座を巡る熾烈な覇権争いを描き、空前のメガヒットを記録した『ゲーム・オブ・スローンズ』。
パスカルはそのシーズン4となる「第四章:戦乱の嵐-後編-」にて初登場を飾った。
ドーンの最上位貴族であるマーテル家の次男であるオベリン・マーテル役を演じたパスカルは、計7エピソードの出演にとどまったが、抜群の存在感を放ち、物語のキーパーソンとしてしっかりと役割を果たした。
ペドロ・パスカルの快進撃が始まったきっかけは、間違いなく本作にあると言えるだろう。

カウボーイ姿のスーパースパイを演じた『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)

2014年に公開された痛快スパイ・エンターテイメント『キングスマン』の続編である『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)には、イギリスの「キングスマン」と相対するアメリカの組織「ステイツマン」が登場。
物語の世界観をより広げる役割を果たしたが、その「ステイツマン」のエージェントの一人であるウィスキー役に扮しているのが、ペドロ・パスカルだ。
鞭、投げ縄、拳銃を使い、口ひげを蓄えたカウボーイルックで登場するパスカルは、アメリカ南部特有のアクセントでセリフを口にし、まさに1970年代のカウボーイ映画を彷彿させる存在感を放つ。
本作で、信用ならぬ男を見事な怪演で体現したパスカルは悪役としての才能が開花。後のキャリアにも大きな影響を及ぼす。

孤高のバウンティハンターが醸し出す渋い魅力『マンダロリアン』(2019-)

SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」初のTVドラマシリーズとして、2019年よりディズニープラスで配信されている『マンダロリアン』で、ペドロ・パスカルは主人公の賞金稼ぎマンダロリアン(通称マンドー)を演じている。
このマンドー役は常にマンダロリアン・アーマーのマスクを被っているキャラクターであり、ほとんど声のみで感情を表現しなければならない厄介な役どころだ。
それでもパスカルは声のみで、孤高のバウンティハンターの心情の変わり様を演じて魅せた。
改めて、ペドロ・パスカルという俳優の表現力の高さを感じさせられた次第である。
その魅力はシーズン2、3になってからも変わることはない。
パスカル自身は、もともと「スター・ウォーズ」のファンであったため、キャスティングされたことを喜んでいるようだ。

「ワンダーウーマン」のヴィランとして存在感を発揮!『ワンダーウーマン 1984』(2020)

2017年公開のDC映画『ワンダーウーマン』の続編で、1984年のアメリカを舞台に強大な悪に立ち向かっていくダイアナ・プリンス=ワンダーウーマンの‘‘試練’’が描かれる『ワンダーウーマン 1984』(2020)。
本作で、悪の根源として据えられたマックス・ロード役に扮しているのが、ペドロ・パスカルだ。
『マンダロリアン』など硬派で無口な役どころのイメージが強いパスカルだが、本作では印象をガラリと変えるコミカルかつ胡散臭い表情をいくつも魅せてくれる。
ヒーロー映画の定番と言える世界征服を企むヴィランをこれでもかとばかりに魅力的な演技で体現しているのだ。
本作がどこか古き良きアメコミ映画らしさを醸し出している要因は、パスカルの存在があってこそと言えるだろう。

ヴィランの次はヒーロー役に挑戦!『ヒーローキッズ』(2020)

ロバート・ロドリゲスがメガホンをとった『ヒーローキッズ』(2020)は、かつて大ヒットを記録した「スパイキッズ」シリーズや『シャークボーイ&マグマガール 3-D』(2005)の遺伝子を受け継いだ作品だ。
世界的に活躍するヒーローたちの子孫が活躍する中で、ペドロ・パスカルは主人公の父親役を演じている。
どこか「アベンジャーズ」のホークアイを彷彿させるキャラクターで、もしもアメコミ映画にパスカルがヒーロー役でキャスティングされていたら、こんなだったのかなという疑似体験もできる。
悪役を演じることが板についてきたパスカルにとって、近年では珍しい役どころだった。

2023年最高のTVドラマの呼び声高い『The Last of Us』

ハリウッドにおいて引く手数多の俳優であるペドロ・パスカルは、次々と話題作に出演している。
そんなパスカルの最新作が、2013年に発売された大ヒットゲームの映像化で、米HBO Max製作によるTVドラマ『The Last of Us』だ。
謎の寄生菌の蔓延により、人々が理性を失い狂暴化した世界。感染を免れたジョエルは、娘のサラの死から立ち直れずにいたが、寄生菌に対して抗体を持つ14歳の少女エリーを目的地まで送り届ける仕事を引き受ける。常に死と隣り合わせの過酷極まる旅路が幕を開けるのだった…。
パスカルは主人公のジョエル役に扮しており、‘‘子供’’を送り届ける任務を全うしようとしていく…その姿はどこか『マンダロリアン』を思い起こさせる部分でもあり、パスカルが得意とするまさに真骨頂とでも言うべき演技の数々を観ることができる。
早くも、2023年最高のTVドラマとして本作を挙げている視聴者も多く、傑作と呼ぶに相応しい作品。
シーズン2の配信開始が今か今かと待ち望まれている。

近年、目覚ましい活躍を見せている俳優、ペドロ・パスカル。
製作陣からも、ファンからも厚い支持を集める彼の活躍に今後も期待したい!
(※筆者がペドロ・パスカルの出演作を鑑賞するたびに、この履歴書はアップデートされていく)

(文・構成:zash)

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