我が家のスープ
毎日の食卓に汁物は欠かせない。特に今は授乳中で、スープは水分と栄養を補給するために重要な役目を担っている。
スープを作り始めたのは一人暮らしを始めてすぐ、3年ほど前からだ。最初に作ったのは、玉ねぎと人参のスープだった。薄い輪切りに切りっぱなしの人参と、薄切りの玉ねぎを炒めて市販のコンソメを入れただけのもの。家に唯一あったアルミ鍋で玉ねぎを強火で炒めたので焦げ付き、悲惨な状態になったのを覚えている。
その後は一人暮らしの栄養不足を解消しようと、スープの具材をどんどん足していき、最盛期には6種類ほどの野菜を煮込んでいた気がする。人参、玉ねぎ、キャベツ、トマト、しめじ、大根など。味付けはやはりコンソメのみ。
結婚してから、我が家のスープは大きく2種類になった。トマトスープか、クリームスープ。と言うのも、コンソメ以外に市販のスープの素というのがあるという事を学んだからだった。結婚後すぐに妊娠し、つわりなどもあって凝ったものが作れなくなった事もあり、単純な料理を好むようになる。夏はナスをたっぷりと入れたトマトスープ。冬は大きめに切った大根を入れたクリームスープ。どちらも玉ねぎが準主役となっている。人間の身体はあまり意識しなくても季節の野菜が食べたくなるという事をこの時悟り、感心したのを覚えている。玉ねぎの万能さにも感心する。
臨月近くによく作ったのが千切り生姜と黒酢、鶏肉のスープ。1月だったが、チビがあまりの寒さに逆子になってしまったのだった。少しでもチビが寒くないようにと、これに黒胡椒を更に大量にふりかけ、ものすごく辛くなったスープを我慢して飲む。正直、もう作って飲める自信はないのだけど、たまにあの頃を思い出すと口に生姜の香りが広がる気がする。
チビが生まれた後はますます単純な料理が増える。最近は豚汁ばかりだ。休日に具材を切って冷凍しておき、鶏肉と豚肉、ネギで出汁をとり、これも冷凍。平日の忙しい時に具材と出汁を凍ったまま全て鍋に入れ、お玉に味噌を詰め込んで鍋に突っ込み、火にかけて放置。包丁を使わず30分でできてしまう。ここまで労力を節約しないと平日はとてもやっていけない。
野菜スープの方は、ここに来て「食べるスープ」から「飲むスープ」に移行した。
一つは、玉ねぎ、人参、南瓜、キャベツなどを煮込んだ後、濾してコンソメを入れたもの。野菜の離乳食を作った残りの出汁で作る。よく飛行機の中で出てくる、シンプルな澄んだコンソメスープに憧れて作ってみた。多忙な朝に飲むと、ホッとする。
もう一つは南瓜の皮をハンドブレンダーでペーストにして、市販のコーンスープでのばしたもの。南瓜の実の部分は全て、チビのもの(本人は気にせず投げるけれど)。親たちは余った皮をいただく。南瓜の皮の青臭さが苦手だけれど、この方法で気にならなくなる。
改めてまとめてみると、当時の忙しさや思う事がよく反映されている。きっと今後は子育てが進むにつれて、また新しいスープが生まれるのだと思う。
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