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JUST BE WHO YOU WANNA BE!【ミュージカル「キンキーブーツ」】


ミュージカル「キンキーブーツ」を観劇しました。
やっと観れた!!!実は初演・再演と行こう行こうと思いつつなんだか一歩が踏み出せず結局観劇に至らなかった作品。
そうこうしてると大切なものを失ってしまうんだなと、三浦春馬くんの一件でかなり実感してしまって、観れるものは観れるうちに、なんだなと。
春馬くんの気持ちも背負って受け止め、自分らしいローラを演じていた城田優くんと、このカンパニーのみなさんは強いなと、観ながら思いました。

私は今回が初めてだったので、たとえば初演から見ていた人は、春馬くんのローラを見ていた人は、どんな気持ちだっただろうと思ったりしたけど、そんなセンチメンタルな気持ちにならずとも、この作品は強いメッセージ性と楽しめる必然性を持ち合わせているんだと思った。


10cm以上のヒールを履いてあんなに踊れる?

私は一番高くて7cmのハイヒールしか持っていない。普段の仕事時は大体3~5㎝のヒールを履くことが多く、休日は0cmのペタンコパンプスを履くことが多い。10cmのヒールなんて履いたことないし、15cmなんてもってのほかなわけです。
城田優くんは身長も高くがっちりしている印象があるので、その身長・体重で10cm超ハイヒールのニーハイブーツを履いているって信じられる?しかもそれで華麗に歩くし踊る。私だったら怖すぎて無理です。多分立つだけで足痛い。
とっても努力しているんだろうなと、さすがプロだなと…尊敬します。

しかも城田優くん、というかローラ、女性より綺麗な歩き方とか立ち方をしているんじゃないか?というかめちゃめちゃ女性的な立ち振る舞いをしていてドキドキした。お、お、男だよね…?と何回も何回も心の中で自問自答した。

クライマックスのラストは、ローラやエンジェルズだけじゃなくてキャスト全員がハイヒールを履いて出てくるんだけど、それが本当にすごかった!!
男性も女性も全員があの、「キンキーブーツ」を履いて歌って踊っている。すごすぎる。圧巻だった。
それと、小池徹平くん。もちろんハイヒールを履きなれていないチャーリーなので、転ぶ演技とかぎこちなくなる歩き方とか、上手すぎてこれまたプロだ…と思った。
一つ間違えれば足首持ってかれて怪我に繋がるお芝居だと思うんだけど、すごい自然だった。これを1~2か月とかやってるわけです。やばいです。

私には絶対無理だ~~!と思いながら、明日はヒールのある靴を履こうかなとか、ヒールの高いブーツを履こうかなとか、ワクワクしてしまったのも事実。なんだか自分も履きたくなっちゃうような、そんな気持ちにもなりました。
ちなみに観劇日はヒール0cmのぺったんこパンプスを履いていったので、私なんで少しでもヒールのある靴を選ばなかったんだろう?と後悔した……


これは、初演時の稽古映像。ヒール!!!!!三浦春馬くんと、その周りのエンジェルズたちのハイヒール姿を見てくれ!!!!!見た目は男性だけど、男性とは思えないくらいしなやかで色気のある女性的な動き。すごいです。役者さんですごい。

私もあんな高いヒールでコツコツ音を立てて街中を自信満々に歩いてみたいもんです……そう、高いヒールって、多分自分に自信を持たせてくれる気がする。ローラがそうだったみたいに。
ローラは、女性の恰好をしているときは自信に満ち溢れていて、男性の恰好のときは弱弱しい感じだった。それは「なりたい自分」のときにあふれる自信があるからなんだと思う。女性の恰好のときのほうがなりたい自分だから。
ハイヒールを履けるのは女性の特権というか、履けば女性らしくなるというか、そんな感じがあるから「大人っぽくしたい」「女性らしい恰好がしたい」という日は私もヒールのある靴を履く。それがその日なりたい自分だから。
だから、「明日はハイヒールを履こう」と思えるんだろうな。


「あるがままの他人を受け入れろ」

ローラがドンに与えたミッションみたいなもん。
これ、なかなか簡単なことじゃないですよね。それをローラは自らの経験から「あるがままの自分」と「あるがままの他人」を受け入れることができるんだろうなと思った。
二幕中盤、ドラァグクイーンとしてのローラを受け入れていたと思い込んでいたチャーリーが実はローラのこと「変」ってずっと思っていたの知って、私悲しくなりました。それを言われたときのローラの表情見て更に悲しくなった。チャーリー、それはないよ。その言い方はないでしょ。って何度思ったか……
感情のままに思ったことを口にしていたのか、それともカッとなって本心ではないことを言っていたのか、1回しか見ていない私は解釈が足りなくて本当のことはまだ分からないけれど。でも多分、多分だけれどすべてが本心だったとは思えないな。普通じゃないって思っていることは事実だと思う。だけど、その普通じゃないローラを受け入れていなかったわけじゃないと思う。だからローラがミラノに来るのを待っていたんじゃないのかな。分かりませんが…やっぱ解釈深めるには何回か見たいな。

で、この「あるがままの他人を受け入れる」って難しいよねって話。
私は人間関係トラブルの当事者になったり巻き込まれたりしたことはほとんどない。それは私が争いが嫌いで避けてきたから、という理由と、もう一つ挙げるとしたら、どんな人でも「そういう感じね」とある程度受け入れてきたから、かもしれないと思っている。
人なので、好き嫌いはあるし、得意苦手もある。でも、何かするにあたって関わらなければいけないのなら、嫌いでも苦手でもある程度妥協して関係を築いてきた…つもり。
「私とは合わないな」「この人苦手だな、関わりたくないな」と思っても、「ああ、なるほど、この人はそういうスタンスの人なんだ」「この人はこういう考えの人なんだ」と、大体受け入れているんだと思う。
それは諦めとは違って、ある程度必要なところまでの関係は築こうとする意志がある。で、トラブルになったことは、今のところない。

「あるがままの他人を受け入れる」ことで、ドンとローラのように分かり合える?好きになれる?こともあるかもしれない。けど、大半はそうじゃない気がする。
でもドンは、周りをそのまま受け入れたことで、チャーリーの助けとなったし、ローラとの仲も深まった。そうやってできたらいいだろうなと思った。


あるがままの自分も、受け入れられるか

他人を変えるならまず自分を変えろ、と言われることがある。だったら他人を受け入れるなら自分自身も受け入れないと。

ローラは、強い。

お父さんからボクサーになる期待を持たれながらも、本当になりたい自分を貫いた。それで、お父さんに縁を切られても、女性の姿でいたい自分を受け入れた。
それってすごくないですか。そんな勇気、私にはないかもしれない。
でもローラは確かに、男性の格好をしているときより女性の格好をしているときの方が生き生きとしていた。まぶしいくらいに。
自分の一部を犠牲にして生きるより、自分の全てを受け入れて自分らしく「あるがままの自分」で生きたほうが幸せなのかもしれない。

「自分らしさ」はよくわからないけれど、そのままの自分を好きでいようと思う。

ローラに注目しすぎたけれど、チャーリーに共感できることはたくさんあった。親の仕事(靴の工場)を継ぎたくなくて彼女とロンドンに行ったけど、親の死去で継ぐしかなくなった運命。
あるあるな話だけど分からなくはないよなあ。そんなチャーリーも、ローラとあってそのままの自分を好きになってくれてたらいいな。


オーブ恒例(?)のデカデカ写真スポット


おわりに

観客の熱量がえげつなかったです。びっくりするくらい。
通常のミュージカルで、カーテンコールですでにスタオベ、声は出さないものの手拍子と体のノリですごい熱気ってあんまり見たことない。
私はシアターオーブの三階から見ていたので、一階の方々が本当に楽しそうでノリノリでキャストの皆さんに手を振ったりしていた。
初めて見たってくらいあんなノリノリな観客。すごかったです。

あとやっぱり、小池徹平くんと城田優くんの身長差すごかった(笑)可愛いくらいすごかったです(笑)







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