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恋の終焉


あなたなしでは死んでしまう。

私の死に時はあなたと別れる時だって腹を括っていた。

私はあなたに依存していた。

これが私だった。


でもいつの日か気づいてしまった。

あなたへの想いは空っぽになっていたことに。

周りにはいつも順調だよと言って聞かせていた。

いやそれは自分に言い聞かせるための、繋ぎ止めるためのおまじないだった。

あなたは相変わらず人が良くて尊敬できる人間だった。

こんな気持ちで付き合っていくにはあなたは勿体無い人。


LINEの返事が返ってこないことが増えた時

こうして欲しかったが増えた時

あなたの匂いが変わってしまった時

私のことを認めてくれなかった時

手紙をもらえなかった時

ときめきがなくなってしまった時


私の心は徐々にあなたから離れていっていた。

きっとあなたは悪くない、私が変わっていくふたりの空気をうまく吸い込めなくて、一緒に過ごした時間だけの重荷がただ私を潰そうとしているだけ。

カルテットの真紀と幹生なの。
家族になりたかった真紀といつまでも恋人みたいな二人でいたかった幹生なの。

それになんとなく気がついてはいたけれど、いつか元通りになるものだと思っていた。


でも恋は不可逆。

恋に落ちてしまったら
もう恋をする前の気持ちは返ってこない。

恋に冷めてしまったら
もう恋していた時の気持ちは返ってこない。


「ブーメランみたいに 遠くへ飛ばしても 
わたしがかえるって思ってるのね」

なの。荒井由実なの。


だからこれ以上一緒にいても虚しいだけだし、私はあなたに優しくなれないと思う。

無理してこの長い長いパーティーを続ける必要なんてない。
気分悪くなってゲロでも吐かないとパーティーなんて終わろうと思えないと思うからさ、私のこの態度早く嗅ぎ取って気分悪くなってよ。

私のこと嫌いになって。

こんなクソみたいな女だってあなたに見せる勇気はないくせに、ちょっとずるいけど。

好きなまま別れられたらきっとまた甘えちゃう。

もっといい人見つけてよ、今からでも浮気してよ、どっかでワンナイトでもしてこいよ。
そしたら私もちゃんとあなたのことちゃんと嫌いになれるから。


私たちの物語は長すぎて容易にまとめることなんてできない。

そこにはいろんな感情があったはずだから

どんな物語かは形容できない。

幸せな物語だったかは今はまだわからないけれど

良い時間を過ごしたと思える日が来れば、なんで別れたんだろうと思える日が来れば、それは辛いことだけど

私は幸せだったとわかるでしょう。



これはあなたへの最後のラブレター。




2024/06/30

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