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エッセイ 『カラオケ』


カラオケに行く。

何も楽しくない。


私の地元にカラオケ屋さんは一つだけだった。

音漏れがひどくてタバコくさいし絶対に知っている人に出会う。

私はそのカラオケ屋さんが大嫌いだった。


大学に入ってカラオケに誘われた。

私にとっては人生で3回目のカラオケ。

私はそんな淋しい人生を送ってきました。


おもちゃみたいな部屋にわざとらしい映像

みんなあほみたいに酒を呷っていた。

大学生だから。

私は全く酔えなかった。

私は1度だって酒に酔えたことのないこれもまた淋しい人生を送ってきました。


酔えなくて酔っている他の人が馬鹿みたい。

こんなこと考えるなんて淋しい人生。



私は歌いたくない。

これは私の詩じゃない。

松任谷由実の詩は松任谷由実だけが歌えばいい。



私は歌いたくない。

これは私のリズムじゃない。

杏里のリズムは杏里だけが刻めばいい。



我が物顔で歌うなんて私にはできない。


そんなこと思いながら

私は時給2600円+努力給のためにおじさんたちと歌っている。

好きな歌を嫌いなカラオケで消費している。

私の好きを嫌いに変換して消費している。



私はオリジナルしか聞けない。

そんな淋しい人間。

でもオリジナルを自分では生み出せない。

そんな哀しい人間。

淋しくて哀しい人生から這い出すことはできなさそう。



・・・

エッセイなのか日記なのか詩なのか、私には分かりません。
安い言葉を並べて気持ちよくなるしか私を救えるものはないのです。

2024/06/26

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