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さがしもの

探し物をしている最中、頭の中を繰り返し流れる井上陽水

探し物は何ですか 見つけにくい物ですか
カバンの中も机の中も探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と踊りませんか (井上陽水「夢の中へ」より引用)

それより僕とおどりませんか

もしも必死で探し物をしている最中に突如
僕と踊らないかと言われたら
いやいやいやいやとなりつつも
まぁいっかとなるんじゃなかろうかと

いや待てよ、その前の言葉こそが肝心だ
あまりにも唐突に場面が切り替わる
「それより」という接続詞が気になって仕方ない
こんなにも必死なことからあっさりと切り離してしまう
そしてその渦の中から抜け出してみると見えてくるものがある
諦めということが、物事を明らかにすることだとしたら
自分が本当に探していたものが明らかになる

前置きが長くなったが
結局のところ探していたものは
夢の中で封筒の中にあった!というところで
何とも言えぬ幸福感と共に目覚めた瞬間、探し物ではなくなった
そもそも色々な事が疑問に思え、自分の記憶すら定かでない気がした

ありふれた日々の怒りや悲しみの中
それより僕と踊りませんかと言ってくれる人がいるなら
もしくは自分が言えるなら
最初こそふざけるな全然ひとの気持ちをわかっていないと思えても
その場面が切り離されることで平常心を取り戻せる事もあると思う

人生には「それより」大切なことが日々刻々の中にある

余談だが
iPhoneの予測機能に困っている
はっきり言ってはやとちりだ
そんなはやとちりからふと浮かんだ花と散り
私の記憶となったさがしものは
花と散りながらも踊り続けるだろう
あっちゃんありがとう





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