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組織を超えたリーダーシップ。その7『チームに「学びの姿勢」をインストール。』

学ぶって、行為じゃなくて、姿勢であることが大事。

「学ぶって行為じゃなくて姿勢」
この「学び」の場をどう作るか?

チームに「学びの姿勢」をどうやってインストールしようか?

本日のnoteは、2019年1月に書いた「「学び」の場をデザインする。日々の業務の中で「学び」を与えるために」を、組織を超えたリーダーシップのテーマで加筆・再編集したものです。(1年という時間、私も少しは成長している実感。)

学ぶ姿勢をインストール

メンバーに一方的に押し付ける「学び」、例えば本を読め!とか研修参加しろ!ではない。日々の業務やプロジェクトワークの中で、うまく「学び」に導けるか?メンバーに「学び」の姿勢をインストールできるか?

理想の状態は、息を吸うように自然と常に「学ぶ」姿勢になっている。

・その場をどう整えるか?
・その場をどう演出するか?
・そのプロセスを言語化してみたい。

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1.それは何か?

何を「学ばぜたいのか?」
まずは3つの段階を意識したい

第1段階は「情報」

あれを知っている。それを知っている暗記の類。
KPI、PDCA、WBSという言葉の意味を知っている。
というレベルの話。
先人が整理してくれた断片。

第2段階は「知識」

「情報」を体系立てて理解している。
「情報」を順序立てて使える。
「情報」を俯瞰して見れる。

プロジェクトワークなら、どういった手順で進んでいけばよいか?を知っている。どういった手順で進んでいけば成功確率が高いかを知っている。

「情報」はすでに先人が整理してくれたもの。
検索すれば出てくることも多い。
ただし正確な「情報」を検索するには、ある程度の「知識」レベルが必要。
「知識」があれば、正確な「情報」を選ぶことができる。
「知識」がなければ間違った「情報」を選ぶ可能性は高い。

第3段階は「知恵」

「知識」をどう活かすか?
「知恵」=知識 × 〇〇

プロジェクトは、予期せぬ出来事が多々発生する。解決するためには「知恵」を使う必要がある。「知識」だけでは、予期せぬ出来事には中々対応しきれない。予期せぬ出来事の対応方法のヒントは検索で出てきても、答えが出てくることはない。。

だから「知恵」が重要になる。
先人に答えを聞けない領域。
自分で考える。

プロジェクトでは、
・状況に応じて「知識」から「判断」している。
・予期せぬ出来事には「知恵」で「決断」をする。
今何をおこなっているのか?「判断」か「決断」か。この2つを意識よう。

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2.「学び」の場をデザイン

私の頭の中の話、以下のことを考えながら、メンバーの動きを観察している。

・〇〇さんには大事な「情報」が足らないな。
・今、言っているのは「情報」に過ぎないよね。もっと俯瞰して捉えないと、せめて「知識」として体系立ててないと使えない。
・体系立てるには「情報」と「情報」を整理しないと。
・「知恵」の話を今するべきか。まだ早いか。

そして状況に応じて「学び」の場を意識して作っている。
「学び」の場をデザインしている。
最近の私の鉄板の会話は「知恵」「知識」「情報」の段階の話をする。
まず「学ぶ」の「情報」を与えるのだ。

「学び」の場のデザインその1:「情報」は最初に与える。「知識」もフワッと教える。

最初に「情報」を与える。
最低限、知っておく必要のあることを与える。
まずは覚えて!と。

例えば、プロジェクトマネジメント・リーダーシップ育成研修で与える「情報」はこんなもの。

・プロジェクトの特性について
・会議ファシリテーションと基本テクニック
・タックマンモデルから考えるチームビルディングという概念
最初にまず教える。

その時に、その背景や全体像、より深い部分もフワッと話す。頭の隅に置いておいて程度。

< Tips >
最初に、一般論レベルの「情報」を与えると、メンバーの「知識」レベルがある程度把握できる。
チーム固有の言葉、暗黙知を把握する意図もある。
言葉合わの意図もある。

「知識」レベルの把握は、クイズ形式で聞くのもの良い。
ただしクイズを張り切りすぎると、正解を出すことに意識が行き過ぎてしまう傾向がある。

「5秒で答えて、ハイ終了。正解は〇〇」と
テンポよく展開する!が効果的。

「知っている?知らない?」の2択でもOK。

「学び」の場のデザインその2:「振る舞い」は見逃さない。

メンバーは様々な「振る舞い」をする。
「良い振る舞い」「 悪い振る舞い」を見逃さない。

ほとんどの人は、何も考えずに反射的にやっている。
「良い/悪い」に関わらず、その場で言語化は大事。

言葉で伝えることで理解が進む。
言葉で伝えられない時は、こちら側(導く側)の理解が不足している。
言語化は大事

言葉にできないということは、「言葉にできるほどには、考えられていない」

梅田悟司著「言葉にできる」は武器になる。

< Tips >
「良い振る舞い」は、その人そのものに注力して言語化。
「悪い振る舞い」は、背景を探る事に注力して言語化。

最初のうちは「良い振る舞い」にのみ注力する。

「良い振る舞い」の対話の例

1. 常に積極的に会議で発言している。

積極的に会議で発言するとコミュニケーションが進むのでチームの状態がよくなるね。なぜなら初期のチームビルディングにはコミュニケーションがとても大事。

「些細なことでも、別の事に繋がっているという視点が大事だよ。」って伝える。

2. 物事を俯瞰して捉えている。捉えようとしている。

俯瞰して見ること、その姿勢、思考の癖をまず褒める。
俯瞰して物事を捉えるは意識しないでやっている人もいるけど、そもそもできない人も多いので、そ
ういう姿勢が大事なんだよ!って言う。

「意識するは大事だよ」って伝える。

3. 他の視点を取り入れている。取り入れようとしている。

視点を変えること、その姿勢、思考の癖をまず褒める。
視点を変えるは結構難しい。できない人が多い。

だから「視点を変えるって事は大事と伝える。その姿勢が大事!」って伝える。

「悪い振る舞い」の対話・対応方法

1. 重箱の隅をつつく会話が多く、細かい部分にこだわり過ぎて前に進まない場合。

全体の中の一部であること、そこを気にしすぎても前に進まないと伝える。
「否定はしていませんよ、今はその話のタイミングではないですよ」と伝える。

2. 会議に遅刻する。

「遅刻は駄目」と伝える。

「学び」の場のデザインその3:体験談とディスカッションで「知恵」を追体験

体験談を聞き、体験の本人とディスカッションするのは最高のコンテンツの1つ。とても効果が高い。私はプロジェクトの体験談を幾つかスライド化していてiPad PROに入れてある。何時でも出せるようにしてある。
例えば、ランチの時間にiPad PROで軽くプレゼンして、ディスカッション。


< Tips >
この時はこのように課題をクリアした!と、テクニックを話すのが有効。
より具体的にね。

そしてどう自分なりにクリアしたかを可能な限り、今のプロジェクトにも合わせた内容で話す。

チームが初期の時はアイスブレイクとしてのも有効。

3.最後に私の心掛け

メンバーに一方的に押し付ける「学び」、例えば本を読め!とか研修参加しろ!ではない。日々の業務やプロジェクトワークの中で、うまく「学び」に導けるか?メンバーに「学び」の姿勢をインストールできるか?

理想の状態は、息を吸うように自然と常に「学ぶ」姿勢になっている。

心掛け、その1:常に「知恵」「知識」「情報」の違いを意識

・それは「知恵」か?
・それは「知識」か?
・それは「情報」か?

日々の会話で感じる。
その人が喋っていることは「情報」か?「知識」か?「知恵」か?

「情報」「知識」なら先人からのもの。
「知恵」ならその人のもの。

心掛け、その2:言語化して「言葉で伝える」という事

頭の中でふんわり考えていること、何となく喋ったこと。
この状態のモノを言語化すること。
言葉でなく、図解でも良い。絵を書いても良い。
大事なことは、人に見せられる状態であること。
アウトプットを意識。

上記2点を普段から意識する。脳内トレーニングに加え、実際にnoteなどに書くなどの他人を意識する。この積み重ね。
アスリートのようなトレーニングの日々。イメージは筋トレ。

「考える」ためには「知識」のインプットも必要、本でもブログでも勉強会でもなんでもよい。「知識」のインプットは怠ってはならない。

チームに「学びの姿勢」をインストール。するために、リーダーは自ら実践して見せていきたい。

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組織を超えたリーダーシップについて考えるマガジン

不定期ですが、組織を超えたリーダーシップについて1テーマづつ書いていきます。これは自分自身も組織を超えた働き方にシフトしている状況なので、それを冷静に、客観的に見ていくため。という意図もあります。興味ある方は是非。


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