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蠱惑的な夏

ジー…と蝉の鳴く声が聞こえる中、
彼女はタンクトップに短パンという実に真夏の子供といった服装で扇風機の前に座って声を出していた。

耳に馴染んだ彼女の声が
扇風機の風に揺られ、普段では聞けない音色になっている。

「…小学生の夏休み。」
「そこ!聞こえてますよ!」

扇風機に向けていた顔が
こちらに向いた。
彼女の髪が風にのって、首筋が見える。

「近所の人にスイカ貰ったんだけど後で食べる?」
「食べる!!」
「じゃあ冷やしておくから。」
「わーい!ありがとー!」

汗が浮かんでいる顔が明るくなり、また再び扇風機へと顔を向ける。
俺はその彼女の横に座り、扇風機を横取り、涼しい風を浴びる。
隣で騒いでいるがそれを無視して、「あー涼しいなぁー」なんて言う。
彼女も涼しい風を浴びようと体をぴたりとくっつけてきた。

「暑いだろ。」
「そっちが扇風機取るからじゃん!」
「ずっと使ってたんだから少しくらい良いだろ」
「だーめ!」
「…ったく。」

髪が風にのり、露わになった首筋にキスを落とす。
彼女は首に手を当て、驚いた表情をする。

「な、なにすんの!!?」
「別になにも?」
「キスしたじゃん…!!」
「駄目だった?」
「駄目っていうか……駄目じゃないけど…。」

「その赤い顔は、この気温のせい?それとも、照れた?」
「う、うるさい…!!」

夏の緑と鮮明な青を背にした
彼女の真っ赤な顔は、とても愛らしく、愛おしかった。



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こんばんは。memoです。
最近は、お題メーカーよりお題を出してもらい、
そこから物語を作るという事にハマっています。
今回のお題は、

「首筋」 「扇風機」 「愛らしい」

でした。
少しでも内容に沿った作品になっていれば良いなと思います。
そして、見て分かる通り、noteの書き方が
まだ定まっていません。
なので、模索しながら色々な書き方をしていこうと
思っております。
読み難いところがあったと思いますが、
ここまで読んでくださりありがとうございました。
それでは、おやすみなさい。


お写真は、ビトネ様からお借りしました。
凄く好きなお写真で、一目惚れでした。
ありがとうございました。

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