見出し画像

スマホを置いて旅したら

スマホを置いて旅したら

ふかわりょうさんの『スマホを置いて旅したら』を読んだ。

3泊4日、岐阜県美濃市をスマホを持たずにまわった旅行記。スマホを置いて家を出るところからこの旅は始まる。移動の電車から見える風景、タクシーの運転手との会話、街並みの工夫、川を流れる水と風、コーヒー屋さんとの会話。スマホを持ちながら旅をしていたら、”もしかしたら”気が付かなかったかもしれない、自分の心の機微を感じ取って文章にするふかわさん。気取っていない文章なんだけれど、どこかオシャレで読みやすく、とても面白かった。

水琴窟っていう日本庭園装飾を初めて知ったし、『五線譜では表せない音』を是非聴いてみたいと思った。デジタルでは表現できないものがまだまだ世の中には溢れている。

肯定も否定もしない

この本のいいところは、スマホを否定しているわけではないところ。日常生活はスマホが無ければ成り立たないことがほとんど。だからこそ、「日常から離れることが旅の醍醐味」なので、スマホを持たないことで輝く時間を感じてみようよ!という立場をとっている。

スマホを持たない旅、を考えてみる。
どんな時にスマホを使っているだろう。

新幹線・飛行機の予約情報はGmailに届いているので確認する。駅までの道のり、空港までの電車の乗り換えを調べる。PASMOはスマホに入っている。ホテルを予約する。知らない街についたらGoogleマップで検索する。バスの時間を調べる。遠ければアプリでタクシーを呼ぶ。海外旅だったら、翻訳アプリを使ったり、現地通貨の両替レートを確認したりもする。

とにかくめちゃめちゃスマホに頼っている。
逆にスマホがあれば、どこに行ってもなんとかなる。

この本で好きな一節がある

寄り道したり道草食ったり、道に迷ったり。非効率な時間にこそ、豊かさは潜んでいる気がします。スマホのおかげで道に迷わなくなったけれど、情報量が多すぎて、人生の迷子になっている。

『スマホを置いて旅したら』

店を探すにしても、Googleマップでレビューを確認したり、食べログの評価を気にしたり、Instagramで検索して投稿をみたり。情報へのアクセスが良くなりすぎたが故に、自分で決定する機会が極端に減ってしまっている。

情報の答え合わせはもう終わりにしよう。

まとめ

かといって、スマホを置いて旅に出るのは相当ハードルが高い。地図を見ないで街をブラブラするとか、自分の感覚を頼りに"なんとなく良さげ"な店に入ってみるとか、選択/決定する機会を日常に取り入れるところから始めようと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?