ホワイトソースで白飯は食べられない。

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夢の中への入り口はいつも開いている。
夜空の下、枕元、バスの中、電車の中、車の車窓…

そして呆然と生きている毎日。

私は時折、現実に居ながらも後頭部にグウと意識が引っ張られて、いずれ自分の体を抜け出した自分が、まるで戯曲用の人形みたいにセカセカと動く自分を眺めてしまう。

きっとこれも、夢の中にいるということ。

わかりやすいほどにファンタジーな表現もない、現実から出たサビを削り落とし、チグハグな食べ合わせを求められたときの言い様のない気持ち。

慈しみと気遣いと愛情のチリソースをかけたバニラアイスを食べているときの表情をした少女を15年後、嫁に貰うような夢の終わり。

光速を越える意識と夢の反復の中で、僕は生きている。


無数に過ぎていく街の明かりを眺めながら、変わらない風景にも玄関から「ただいま」が聞こえれば、人生が存在していて、僕もその一部。

警笛の音が、今日も遠くに聞こえる。

きっと憂い人の夢の中で、僕は眉をひそめているのだろう。

ホワイトソースで白飯は食べられないよ。と。

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