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死んだ活字

よく歌詞の中で矛盾しあう言葉を使う時がある。

騒がしい静寂

平和な戦場

正真正銘虚言癖

こういった通常両方が揃わない言葉を並べる事によって、伝えたい内容のコントラストを強調したり、揶揄してコミカルに感じさせたりする時に使っている。

これは歌詞を書き始めたころからそうで、天邪鬼な自分にとってそれは、すごく素直に出てきた表現だったのだと思う。

実はこれを遊びとして登場させている映画がある。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

何じゃこのタイトル!?また邦題に変える際にやらかしとる系か!?
と思いきや、原題は「Extremely Loud & Incredibly Close」
まさかの、そのまんま!!
しかも日本語に訳する際、反転するはずの並びもそのまんま!!
と衝撃を受けた事を覚えている。

個人的にはほぼラスト、群像劇としてのカタルシス、主人公と共に軌跡を振り返りながら、出会ってきた人々の日常がドバっと一気に流れこんでくる様に涙が止まらなくなる。おススメの映画です。

と、いつもの如く話が脱線してしまったが、この劇中、父と子のオリジナルの遊びとして、

「矛盾語法」を用いた矛盾語合戦が出て来る。

しりとりのような感覚で交互に矛盾が同居する言葉を言い合っていくのだ。

無を考える / 今は昔 / マジで笑える / 耳に痛い静けさ / オリジナル・コピー / ない物を発見 / 学生教師 / 液体ガス / 明らかな混沌 / 生ける屍 / ほとんど正確 / 本物の偽造 / 偶然の故意 / 小さな巨人

耳にしたことがあるものから、なるほど!と思うものまで...

これはすごく面白い上に頭の体操にもなるので、皆さんも是非やってみて欲しい。

筋が通れば造語でも良いし、ニュアンスで分かるのであればそれも良い。

管理された無秩序 / 死なないように必死 / 静止動画 / 人間らしい人 / フレッシュジュース(無果汁) / 和製英語 / 絶対そう!しらんけど。 / 行けたら行く

等々、ある程度の制限時間を設けて、実際に口に出し合ってみる。
文字で見るより、呑み込む時間がかかるので理解できた時に「ああ!」といった感じにアハ体験度も増すかと。

この文章の中にも個人的に思う矛盾が潜んでいるので探してみてね!(ただの校閲)

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