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私の好きな日本酒10選

病気で倒れた後、かつてのように飲むことができない。いまは、美味しいお酒をほんの少し飲むだけで幸せな気持ちになる。元気なときにいろんな日本酒を飲んでおいて良かった。美味しい酒との出逢いは縁だと思う。この文章がそんな縁になると嬉しい。


①山形 十四代
フルーティーで愛おしい甘みと優雅な香り。一番好きだ。最高峰の気品がある。

②福井 黒龍
綺麗で上品な味わい。美味しい食事を引き立ててくれる。特別な時に飲みたい。


③青森 田酒
米の旨みをしっかり感じる。しみじみと、じっくり美味しい。

④三重 而今
液体の引力が強い。重厚感がありながらスッと引き、綺麗な甘みが残る

⑤秋田 新政
酸味と甘味が複雑に広がる。ここの酒は酵母が違う。新時代を切り拓く酒

⑥奈良 風の森
微炭酸の爽やかな口当たり。優しい甘みと酸味。繊細で豊かな味わい。

⑦広島 雨後の月

⑧新潟 〆張鶴

⑨福島 飛露喜

⑩奈良 みむろ杉

⑴TOP10以外で印象深い酒
北雪、鶴の友、鶴齢、麒麟山、村祐、初孫、山形正宗、上喜元、刈穂、花邑、冩楽、仙禽、開運、作、菊姫、宗玄、王祿 、宝剣、貴、鍋島、鄙願。

⑵自宅で飲んだり、料理にも使っていた酒
七笑、誠鏡、賀茂鶴、真澄、吉乃川、浦霞、桃川

値段からは考えられない上質な純米酒。このうちどれかを4合瓶で冷蔵庫に常備すれば、日常生活は劇的に豊かになる。飲むのはもちろん、料理にも使っている。


⑶広島の賀茂鶴という特別な酒
名古屋の大甚本店で酒と言えば賀茂鶴の樽酒のぬる燗を出す。銀座のすきやばし次郎賀茂鶴一択。なぜ日本を代表する居酒屋と鮨屋が賀茂鶴にこだわるのか。それは、あくまでも酒は脇役で食事を引き立てるものと考えているから。脇役として食事を引き立てる。それこそ、すごい酒ではないだろうか。


【広島の軟水醸造法】
兵庫の、京都の伏見、広島の西条日本三大名醸地。しかし、広島は灘とは違って酒造りには向かない軟水。軟水だと酵母に勢いがつかず、発酵が促進されにくい。明治時代、広島の三浦仙三郎は麹をしっかり育てて酒をつくる「軟水醸造法」を苦労して開発し、これを惜しげもなく公開して、広島県内に普及させた。軟水でつくる酒はまろやかで繊細百回試して、千回改める「百試千改」とは仙三郎の言葉。仙三郎のひたむきさが広島の旨い酒を生んだ。




おわりに 新潟の吉乃川

 代ゼミ新潟校で授業を終えて、少し飲みたいときは新潟駅前の須坂屋そばによく行った。下のツイートは私が倒れる1カ月ほど前。ここのへぎ蕎麦を食べて、新潟の地酒を飲むのが好きだった。新潟市の古町(ふるまち)の居酒屋ではたくさんの新潟の酒を教えてもらった。この店にも多くの地酒が揃っている。でも、試すうちに気づいたのは、店で一番安い吉乃川米の甘味が感じられてとても美味しいこと。辛口のスッキリした酒が好きだったはずなのに、ここではいつも吉乃川一択どんなに高い酒よりも、地元の庶民に愛されるお酒は人生を豊かにしてくれる。日本を代表する古い酒蔵である灘の剣菱は1505年創業で、長岡の吉乃川は1548年創業。どちらも400年以上の歴史がある。剣菱や吉乃川が低価格で良質な酒を大衆に提供し続けているところに私は伝統と気品を感じる。



【歴史ある日本の酒蔵TOP10】
①1141年 茨城 須藤本家
②1487年 秋田 飛良泉本舗
③1505年 兵庫 剣菱酒造

④1532年 滋賀 山路酒造
⑤1534年 滋賀 冨田酒造
⑥1540年 長野 酒千蔵野(しゅせんくらの)
⑦1548年 新潟 吉乃川酒造
⑧1550年 兵庫 小西酒造
⑨1558年 奈良 上田酒造
⑩1592年 山形 羽根田酒造



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