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第6回 ロシア革命 (1917年)

 第一次世界大戦の末期、ロシアに世界最初の社会主義政権が誕生した。マルクスの唯物史観によると、「自由」をコンセプトとする弱肉強食の資本主義の行き着く先には、豊かで「平等」な共産主義が待っているはずだった。ヨーロッパで最も資本主義が発達していたのはイギリス。だからこそ革命の可能性を信じてマルクスはロンドンに亡命した。しかし、最初の社会主義革命はヨーロッパで最も遅れた国だと思われていたロシアで起こった。1917年、ロシアは二つの革命を経験する。二月革命十月革命。封建的なロマノフ朝を倒すブルジョワ革命と資本主義の臨時政府を打倒するプロレタリア革命。ロシアは1917年の8ヶ月間のうちに中世の封建社会近代の資本主義を乗り越え、社会主義を実現した。どうしてもそこには無理があった。1991年ソ連が崩壊する。どこからボタンの掛け違いは始まったのだろう。そして、資本主義が行き詰まるいま、20世紀の壮大な社会主義の実験からなにが学べるだろう。


目次
⑴レーニンの生い立ち
⑵ロシアの政党
⑶二月革命
⑷レーニンの封印列車
⑸十月革命
⑹内戦と対ソ干渉戦争
⑺レーニンの死

【視点① レーニンによるプロレタリア独裁の問題点】
【視点② ネップとニューディール】

<キーワード① 社会主義>
<キーワード② サンクトペテルブルク>
<キーワード③ トロツキー>

おわりに 第一次世界大戦と1917年
【大学入試問題】
【おすすめの曲 ショスタコーヴィチの交響曲第5番】
【関連年表 ロシア革命】

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