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海を聞くということ。-感想会No.2 美容室にて展示

8月19〜9月2日にかけて美容室にて、海を立体音響展示を行いました!

プレショーからスタートして、詩と朗読のコラボから続いて
ついに実店舗での稼働となりました。

お客さんのリアクションは!?

今回の展示で一番気になるところ。

結論から言うと、リアルすぎたかもしれない笑
これまでの展示と同様、音楽に興味がある人以外でも、ちゃんとサラウンドでの臨場感やBGMとしての気配の違いは感じてもらえたのは合格点。

ただ、落ち着く、癒されるというコンセプトとはずれて
面白い、なるほど!といった別方向のリアクションが多かったようです。
また、人によっては「岩場の入り組んだところの場所だね!」ということろで、集音した地名までバッチリ言い当てる人までいるほどでした(流石にぞくっとしました。

また、後述するところだけど、リアルな音像、内容ゆえに
なんだか溺れそう!
洗濯機の中にいるような気分
という楽しんではくれたものの狙いとはずれたリアクションもいただきました。

全体的には、美容室での話題としてや、アトラクションとして
面白がってもらえるものにはなりました。
次は狙った通りのリアクションがちゃんと得られる編集につなげていきたいところです。

これまでを踏まえての制作改善点。

プレショーでは実際に店舗での設営に伴い有効なスピーカーの配置を
美術展示のコラボでは制作から展示に到るまでのミックスやプロセスを

そして今回は、制作物をどの場所でも設営しても機能するようなバックアップ姿勢をとっていくと言う形態を折り込みました。

制作内容

実際に収録した5.1chの音源をベースに90分ほどの長さに編集。
基本的に穏やかな波の音の状態のものを繋げて編集。
そこにオンマイクで録った岩肌で水が揉まれる音などの素材を各所に散りばめたり。
海辺で足踏みする音をパンニング(音の位置をだんだん動かしていくこと)させて実際に人が歩いているように感じてもらったり。
小さな音で5秒程度のジングルの演奏を一時間おきに流すことで時報のような効果を出したり。

飽きがこないこと、サラウンドならではの気配の違いをきちんと感じてもらえるように工夫しました。
設営では、サラウンドの海の音を3種類ほど混ぜて調整。
耳で聞いている情報に近い状態に再現していきます。

ただ、先述の通り音の大きさや情報量次第で「溺れそう!」といったリアクションになるためより洗練させる必要があるかもしれない。
サウンドスケープとしての音量感などまだまだ工夫点が多いように感じました。

音場の調整

これまでの空間展示として大きな違いが鏡の存在でした。
空間の中央にガラス質の鏡が存在することで、音が反射気味に感じてしまいます。
そもそものコンセプトである“気配のアート”として割り切りながら
スピーカー位置の角度と向きの調整、各場所での音量やEQの調整がなかなかシビアなものとなりました。
別途記事が書けてしまうほど長い調整になるのですが、ざっくり言うのであれば普段は“聴くためのチューニング”をしているところから
“聞くだけのチューニング”に変えた
という感じです。
スピーカーの鳴っている指向性をあえて外し、どこからか聞こえてくる程度の認識になる設定を4方に分散させて、気配の音像を成立させました。

こっそり佇むスピーカー達

引き渡し

今後の事業としての発展させるために、確実に人に託せる環境づくり
手軽にメンテナンスできる仕組みが必要なのでレイアウトを構成。

複雑なことは特にないのですが
Digital performerというDAWソフトが活躍してくれました。
制作側は複数の音量調整箇所を。
クライアント側は最終的な音量調整の一箇所だけをいじるだけで済むようにレイアウトを変えられるようにしています。

あとは起動、エラーが起きた際の措置を説明するだけで引き渡し完了となります。
ここら辺はマニュアルを改めて作成したい。


なるべく最小限の設置スペースを心がけます。

最後に
オーナーさんと交渉にあたり、諸々ブログで書いた内容の資料渡したり
打ち合わせするのにドキドキしていたけど
先方の寛大な姿勢で「いいよ〜、好きにして◎」
的な感じですんなりことが済んでしまった…ほんと、ありがとうございました(涙

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