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【ネタバレ有】感想:初音ミク JAPAN TOUR 2023 ~THUNDERBOLT~


タイトル通り!初音ミクのZeppツアー、THUNDERBOLTの感想を書いていきます!


これまでにも初音ミクのライブでZepp公演はあったそうですが、今回はなんといっても声出し解禁!そしてこのロックを期待させるメインビジュアルと、相当な"ライブ感"を期待して臨みました。

以下曲ごとに感想を言いますが、その前に注意事項。

・当然ながらセトリ等の話をしますので、ネタバレ注意です。

・私が参戦したのは、東京の1日目夜公演です。

・おそらく全ての曲に対して感想を述べられないと思います。私の記憶力が貧困なためです。申し訳……

・マジカルミライなどでもそうですが、私は初音ミクのライブでありがちな「セトリの文脈」というものが全くわかりません。今回もそうです。

・今回のライブで私が最も楽しみにしていたのは"演奏"です。初音ミクを始めとしたバーチャル・シンガーの衣装や振りはほとんど注意を向ける余裕がありませんでした。申し訳……(2回目)

・公演中は最前ブロックの左側にずっといました。したがって話せるのはドラムとベースがほとんどで、ギターとキーボードにはほとんど触れられません。そっち側からの感想も誰か・・・。


以上です。じゃあいくよ!


0.カルチャ

0曲目・・・というのは、開演前に会場でBGMとしてボカロ曲が流れていたのですが、その最後に流れたのがこの曲でした。ラスサビが流れるところで大音量になって観客を煽る形で、このノリのままライブに突入だぁーー!!という流れでした。
開演前の会場BGMではごーぶすさんの「歌にした」、STEAKAさんの「スコーピオンガールの貴重な捕食シーン」といったここ数年の名曲が流れていて、そこからのこの曲です。知っている観客たちは大盛り上がりでした。
何を隠そう、私も2022年の10選、いや1選として選出するほど大好きな曲。そんな私の当時の感想は「これ演奏しねえのかよ!!!!」でした。もうこっちはこのライブのメインビジュアルを見た時点でこの曲が披露されることを期待してたの!演奏、してよ!!『全然足りやしない』・・・。
あ、『cult_you. re_shock.』コールができたのは最高でした。



1.THUNDERBOLT

なんとなく「来るなら最初かなー」と漠然と予想していたのが的中。今回のテーマ曲です。
以前にレビューで書いた通り「いかにもボーカロイド的なロック」というのが私のこの曲に対する見解なのですが、実際に生音を浴びてみると想像の10倍ライブ映えする曲だなと。サビでシンコペーションがされているので、その疾走感も大きいと思います。
しかし何よりドラムのエノマサフミさんがめちゃくちゃ良い!!ドラマーって大きく分けると「脱力し切った演奏で縁の下から支える職人タイプ」「俺が主役だと言わんばかりにダイナミックなパフォーマンスで魅了するタイプ」の2種類になると思っていて、今回は圧倒的後者のタイプでした。私が大好きなタイプの演奏です。Zeppだけあって演奏者との距離がすごく近いのでドラマーの一挙手一投足、一呼吸すらも見えるくらいだったんですが、ダイナミックな演奏が熱量としてこちらにハッキリ伝わってきて「ライブハウス、最高ーーーーー!!」と思いながら手を振っていたのを覚えています。

あとBメロの『君に恋をしたの』『会いに来たよ』のところ絶対コール起きると思って叫んでたんですが、特にそんなことはなくてスン…てなりました。

ちなみになんですが、この曲のミクさんってメインビジュアルの衣装着てました??あまり覚えてないんですが、着てなかったような・・・ギターも別に持ってなかったような・・・。



2.気まぐれメルシィ

なんで?w
いやめっちゃ好きな曲だけども・・・。

この曲が披露された時点でなんとなくこの公演のベクトルを薄々察したんですが、あまり深く考えることはせず演奏に集中しました。演奏は最強。
私は気を抜くと演奏を見てしまう病気なのでわかっていないんですが、ライブでこの曲やってる時ってミクさんはPVの振りを踊ってるんでしょうか?私は2サビとラスサビのスカートの縁を掴んでいるような形でサイドステップしてるところが大好きです。



3.アンハッピーリフレイン

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

wowakaさんは来るだろうと思っていたので意外ではありませんでした。しかしアンハッピーリフレインは個人的にとても思い入れの強い曲なので、嬉しかったです。この曲がきっかけでリアルタイムでボカロシーンを追うことにしたんですよね。

この曲で一番言いたいのは、ドラムはAメロで8分ではなく4分でハイハットを刻んでいたということです。高速VOCAROCKあるあるですが、この曲はBPM206と相当速い上にスネアの数が多いため、8分で刻むのもけっこうしんどいんですよね。ドラマーの方が演奏のキツさで4分に変えたということはまずないと思いますが、結果的に刻みを少なくすることでニュアンスがはっきり伝わるプレイになり、すごくカッコよかったです。
「wowakaバンドをやりたい」と志す全世界のドラマー!!アンハピは4分で刻んだほうがしんどくないしカッコいいよ!



4.Gimme×Gimme

またしてもロックじゃない曲・・・ですが、個人的にギガさんの曲はめっちゃ生音映えすると思うので特に不満はありません。ギガさんはドラムのフレーズ選びが自我を強く感じて本当に良い。
実際、ここでの演奏は6連符主体のフィルがグルーヴィーで最高にスタイリッシュでした。パッド欲しくなる・・・。

こういった打ち込み音主体の曲を演奏している風景、個人的に俯瞰でしっかり見たいところです。今回のドラムのセッティングはハイハットの右にスネア、そしてハイハットの手前に別のスネア(おそらく打ち込みに寄せて音作りしてる)とその左にパッドを置くような形だったと思うのですが、ハイハットを使う時はパッドと手前の方のスネアは割り切って使わないんですかね?曲中でけっこうハイハット使ってたと思うんですが、そのあたりどう処理していたかまではわからなかったです。あと自分がパッドを持っておらずパッド込みの演奏の組み立て方を理解していないので、動画があれば勉強したい。



5.みかぼし

納得の選曲。KAITO単独曲は「レイニースノードロップ」かこの曲かなあと思っていました。
ドラマーのダイナミックな演奏がマジでめちゃくちゃ映えてた・・・!変拍子でもまったく乱れずあのパフォーマンスを出せるのは相当詰めてますね、さすがでした。
こういう変拍子をライブで聴いてると途中で拍子がわからなくなる!という人はドラムを見ると良いですよ。変拍子曲は(というか一般に多くの曲は)拍の頭でシンバルを叩くので、それを意識すれば比較的拍子を掴みやすいのではないかと思います。

ちなみに公演終了直後に雑な感想をメモ帳アプリに書いていたのですが、この曲では「肩から肘~~~!!!」と書いてありますwぱっと見意味不明ですが、ダイナミックな演奏をするドラマーは手首から先だけでなく肩や肘から大きく動くので、そのことを言っているんだと思います。
"肩から肘"の話は、後の曲でまた話すことになるでしょう。



7.ぼかろころしあむ

今回のベスト選曲だったと思います。これライブ初出ですよね?
ドラムがタム回し主体の曲になるのですが、低音がよく響くし叩く場所が左に右に忙しく動くのでパフォーマンスを見る分にも楽しいんですよね。この曲でドラムを見ていない人は損しています。

私はこの曲をよく聴くというほどではなかったので曲の途中で「DIVELAさんっぽいな」と思ったところでタム回しフレーズと照らし合わせてピンときたくらいの感じなのに、これを聴きに来たと言いたくなる良い選曲と演奏でした。



8.私の恋はヘルファイア

「ぼかろころしあむ」に続いてタム回しが映える曲。良いと思います。
前の「みかぼし」とこの曲は流動枠だったようですが、個人的にはこの回でラッキーだったなと感じました。曲調がバンド寄りだしライブ映えするので。

特殊なリズム取りでノりにくいと感じる方がいるかもしれませんが、これもドラムを見ると比較的わかりやすいんじゃないでしょうか。というかリズムとかノり方とかを把握したいなら基本ドラムを見るのが良いです。曲のテンションやグルーヴを観客にわかりやすく伝えてくれるのがドラムですから。



9.独りんぼエンヴィー

電ポルPは嬉しい。マジで嬉しい。でもこの曲??
いやわかりますよ、氏の中でも群を抜いて知名度高いし、ミク歌唱だし、プロセカにも収録されてるし。でもでも、Zeppツアーで電ポルPやるなら他にもっといいやつあったんじゃないかなあ!「月を探して」とか「春のパズル」とか!知名度が足りませんか、そうですか・・・。flowerやGUMIがOKだったら「曖昧劣情Lover」「スキスキ絶頂症」「magic city」あたりがすごく良いんですけどね・・・ロックとなると特に、クリプトン組という制約を強く感じます。
ちなみに電ポルPだと好きな曲が時期によってけっこう変わるのですが、最近は「ヱデン」「ほんの少しのさようなら」(誤字じゃありません。World on Colorではこのタイトル表記です)をよく聴いています。

演奏ですが、サビ前のキメ部分(1番なら『楽しそうな』のところ)のドラムを聴いていましたが、1番も2番も1番のシンバル3連でも2番のスネア+シンバル3連でもなくスネア→シンバル2連の叩き方でした。以上、ドラム警察からの報告です。



11.秘密警察

コールをしろと、そういうことですね。わかります。

ここで最も印象的だったのがベース。2番Aメロでものすごい音鳴ってんぞと思って見たら、全部ダウンピッキングで弾いていました。ピック弾きでなく、親指で上から弾いてるような形だったと思います。スラップではない音だったと思いますが、そのあたり自信ありません。もしかしたらピック弾きだったかも。笑
アップテンポな曲なのでドラムももちろん騒がしさ前回という感じで、リズム隊の主張がものすごかったです。



12.聖槍爆裂ボーイ

甘噛みyouの髪、神~~~~~~~!!!!!!!!!!

声出しOKなのをいいことにずっと一緒に歌ってました。会場で『甘噛み youの髪』を一番大声で叫んでいたのは私です!!

こちらもリズム隊が非常に見応えのある曲でした。スラップを多分に織り込んだドエッチベースに、手数満点のドラム。明確にツーバス入ったのはここが初だったかな?(違ったらすみません)



13.完全性コンプレックス

ライドシンバルの強弱のつけ方にずっと惚れ惚れしてました。低BPMのバラードはこういったニュアンスの地力がモロに出る。ストローク練習しなきゃ・・・。



14.命に嫌われている。

序盤の静かなターンで踏まれてたバスドラの音があまりにも良すぎた。
ペダル踏んで、バスドラが鳴って、ゆっくり踵を上げて、それから足全部をペダルから離す。ほんの些細なノイズも曲を邪魔してしまう静寂の中で、バスドラの残響音に影響を与えないよう配慮した丁寧な所作に思わずため息が出ました。
こうした遠目ではわからない繊細な動作ひとつひとつに神は宿り、最高のライブを形作っています。幕張では演奏をこの解像度で拝めなかった。感謝



17.好き!雪!本気マジック

メモ帳に「2サビ最後のキメ、ダブルのスネア入れたフレーズがすごい良かった」と書いてあります。
雑なメモすぎて自分でもはっきりと思い出せませんが、ダブルとはダブルストローク、つまりスネア連打部分で左手を2連続で叩くフレーズだったんじゃないかと。ダブルストローク織り交ぜるフィルってオシャレだよね・・・。



20.桜ノ雨

なんで?w(2回目)
まぁ、卒業シーズンなのでそれに合わせて流したんでしょう。今はミクの日感謝祭とかないから披露できるタイミングを窺っていたのかもしれない。
それはそれとして、思うところはありました。Zeppのようなライブハウスで流すのは個人的にモヤモヤポイント・・・。

演奏の話ですが、序盤のシンバル叩くところでドラムスティックとしてマレットを使っていたのが非常に良かったです。マレット買いたくなる。



23.ノヴァ

大トリが初見の曲で草。これは私が弱いせいですね・・・。自分が*Lunaさんをあまり履修できていないのとニコニコ投稿のバージョンがないこともあり、存在すら知りませんでした。
しかしそれにしたって一番最後に持ってくるとはかなり攻めた選曲。何かメッセージ的なものがあったのかな?

イントロや間奏のパートで最前の人達が肩組んでヘドバンしてたのがめっちゃ良かった。



全体の総括

印象に残った曲ごとの感想はこんな感じです。
あとはライブ全体についての感想を。

上から丁寧に読んでくださった方ならある程度察しがつくかもしれませんが、率直な感想を言うと今回のライブは個人的に「演奏は最高、セトリはイマイチ」という感じでした。
あまりにも過去のライブで披露された曲が多くありませんか?他の方の感想を見るとコロナウィルスの世界的に流行して以降のライブ曲が多かったようで、おそらく過去曲をたくさん採用しているのは意図的なものだとは思いますが、そのせいでTHUNDERBOLT独自の色や魅力といったものがあまり見えませんでした。Zepp開催なことで演奏を間近で感じることができたのはすごく良かったのですが、それはあくまでライブハウスの魅力であってTHUNDERBOLTというイベントの魅力とは別です。THUNDERBOLTの魅力だと言いたいのであれば、もっとライブハウスに合わせた選曲をしてほしかったです。
端的に言えば、今回のTHUNDERBOLTは「マジカルミライ等のクリプトン主催ライブイベントに通っている人達をターゲットに、過去にライブで披露した曲を声出し有りで再演奏して、声出しができなかった時期のファンの鬱憤を晴らすイベント」という印象でした。それを良くないことだとは思っていません。ですが、私がTHUNDERBOLTに期待していたのは「バンド編成を前面に押して、バンド経験者のような所謂アーティストタイプのボカロPの曲を多く披露するライブ」でした。
いやほんとに、どうしてそうならなかった??メインビジュアルがギターを持ったミクのいかにも「ロック曲、やります!」といった雰囲気で、どうして桜ノ雨が入る???私はもっとツミキさんとか西沢さんPとかを聴きたかったんだよ!!100万歩譲って過去の曲から取ってくるとしても、もっとロックやってくれてよかったんじゃないかな!?buzzGさんの「アルビノ」とかNeruさんの「ロストワンの号哭」とかさあ!!

・・・ということを言いたかったんです。
別に、これまでのファンの方を向いたライブが悪いと言いたいんじゃないんです。初音ミクのライブはどんどん増えたらいいと思うし、その中にそういった方針のライブがあっても違和感は全くないです。ただ、メインビジュアルにギターを持ったミクさんを出してZeppツアーのライブイベントが出たら、バンド編成のロック曲がたくさん演奏されることを期待してしまうのは自然じゃないですか?
「ライブハウスだから初音ミクにギター持たせよう」という着想があったのだとしたら、曲もライブハウスに合わせた曲調に寄せて然るべきだと思ってもバチは当たらなくないですか?それにアーティスト系のボカロPの曲って、採用されることがあまりないじゃないですか。だからこそ明確にバンド編成のライブを意識した新規イベントが立ち上がった時、まだ日の目を見ていない曲たちが来てくれるのかな?と思ってしまうんですよ。
・・・ということを、言いたかったんです。(2回目)

また、「人間でないがゆえに場所と時間を選ばずに何度でもライブができる」という点をバーチャル・シンガーの長所とよく言われますが、たとえば「映像の準備が間に合わないことが理由で既存曲が採用される」という可能性があるのだとしたら、それはバーチャル・シンガーの短所なのではないかと思いました。
今回のライブが実際どうだったのかはわからないのでそこに対して非難の意図はないのですが、THUNDERBOLTでの既存曲の採用度を受けてこういった問題もあるのかなと思った次第です。もしこうした問題が実際にあるとして、すぐに解決できなさそうなのがまた難しいところですね。


総括でネガティブな話ばかりしてしまったので、最後にもう一度念押しさせてください。
演奏は最高に良かった!!!!!!!!!

初回である今回のライブが過去曲の披露がほとんどだったので次回は果たしてあるのか?というのが正直な感想なのですが、素晴らしい演奏やパフォーマンスを間近で拝めるという意味でも、ぜひ「初音ミク JAPAN TOUR 2024 ~THUNDERBOLT~」を開催していただきたいです。切に。




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