100エーカーの森って?/クマのプーさん展
1. くまのプーさん展@立川PLAY! MUSEUM
PLAY! MUSEUMは、自分としては絵本に特化した美術館ととらえていて、
どんな絵本が取り上げられるのか、毎企画が楽しみな美術館のひとつです。
立川の複合商業施設「GREEN SPRINGS」 2Fという立地もいいんです。
水の流れる庭園を通りぬけ、目の前に芝生広場がひろがると左手に美術館。
この道のりが楽しくて。
鑑賞後は、庭園のベンチに座ってのんびり休憩するのも気持ちいい。
2. 最初の展示は「Pooh A to Z」
さて、入場です。
会場の入口は小さめの作りになっていて、絵本(子ども)の世界に入っていくような、ガリバーになったような感覚を覚えます。
展示 Pooh A to Zは、アルファベットAからZまでを各々頭文字にした文章にあわせて、写真や小道具が展示されていました。
文章は、プーさんの世界観を表現しています。
例えば、アルファベット「B」は
「Bear of very little brain」という文章とともにプーさんのぬいぐるみ。
(こちらのプーさんは赤い服を着ています。原画では着ていないんですよね。この赤い服はミッキーマウスがあげたという説がありますが、本当なんでしょうか?)
3. 展示室「百町森」に入る
次の展示室は、挿絵画家のE.H.シェパードが描いた原画約100点がずらり。
とても状態の良いカラー原画がたくさん展示されていました。
オリジナルのもつエネルギーってやっぱりすごい。
印刷された本の絵と、どんなふうに色合いが違うのかなぁ
などど考えながら見るのも楽しい。
絵はがきを模写して気づいたのですが、
クリストファーロビンの左足のくるぶし、プーさんの足下に伸びる影など、
細かいところまできっちり描き込まれているんです。
『クマのプーさん』出版の際には、シェパードは「ミルンの家に招かれ、キャラクターのモデルとなったぬいぐるみたちをさまざまな角度から丁寧にスケッチして挿絵の準備をしている(Wikipediaより抜粋)--なるほど、納得。
森の風景もイギリスらしさが漂うわぁと思ったら、
プーさんが住んでいるアッシュダウンの森は、イギリスのサセックス州に実在するそうです。(会場に実写のインスタレーションもありました)
「シェパードが、アッシュダウンの森に通って、スケッチを重ねた」
と公式サイトに記載も。
実際の森を背景に、登場人物(登場動物?)が細密に描かれているから
イキイキと身近な存在に感じられるのかもしれません。
欲をいえば、絵本のあらすじが原画と一緒に紹介されていたらよかったなと思いました。この絵はこの場面かな?と想像しながら鑑賞するのが「挿絵」の楽しみのひとつだと思うので。
公式サイトに、次のような記述がありました。
「ミルンの文を見ると、ただやせる体操をしているとしか書いていませんが、絵を見ると、プーは鏡の破片の前で体操をしています。」
↑これこれ、こういうこと、会場で知りたかったですよ!
4. A.Aミルンの著作
恥ずかしことに原作を読んでいない私は、鑑賞中に「そもそもストーリーを把握していなし」というフラストレーションがたまってきました。
そこで、ミュージアムショップで原作の購入を検討。
ハードカバーの復刻版の装丁が気に入ったものの、
確か1冊2,500円くらい。(;^_^A 複数あるけど、どの順番で刊行されたのか時系列がよくわからない。一気に全巻購入する勇気はない。
いったん、落ち着け。いちど調べてからにしよう、と肩を落として会場を後にすることになりました。
公式サイトによると、原作の発行順は以下のとおりでした。
1. When We Were Very Young 1924年・詩集
2. Winnie-the-Pooh 1926年・物語
3. Now We Are Six 1927年・詩集
4. The House at Pooh Corner 1928年・物語
ちなみに日本での翻訳出版順は
1. 「クマのプーさん」(当初は「熊のプー」)1940年
2. 「プー横丁にたった家」(当初は「プー横丁にたつた家」)1942年
3.「クリストファー・ロビンのうた」1978 年
4.「クマのプーさんとぼく」1979年
混乱するわけですわ!
(ちなみに、Wikipediaであらすじを読むこともできます。)
5. きょうのおみやげ
●紅茶
受付で入場記念に紅茶(ティーバッグ1個入り)をもらいました!
茶葉は、English breakfast 。美味しくいただきました。
●絵はがき
今回は、パンフレットの表紙にもなっている、「Winne the Pooh」の挿絵を選びました。(確か、絵はがきは4種類だけだったかと。)
オフホワイトの厚手の紙、絵の周りにぐるっとエンボス加工がほどこされ、凝った作りの絵はがきです。お値段330円。(ちょっとお高め)
6. 展覧会情報
立川PLAY! MUSEUN は10/2まで。
その後、名古屋市立美術館で開催予定です。
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