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【戦略解説】成長率を20%以上に引き上げるための「ポジショニング戦略」とは?|メンバーズのIR note

「中期的な成長に向けた戦略(中期戦略)」を解説するnoteを連載しています。前回は、採用およびサービス戦略について深掘りし、中期目標である営業利益率10%をどのように実現するのか、ご説明しました。

3回目である今回は、成長率を20%以上に引き上げるための「ポジショニング戦略」についてご説明します。戦略解説noteも最終回となりました。最後まで読み進めていただき、理解を深めていただけますと幸いです。

・この記事は約6分で読めます・


「Web運用」から「DX現場支援」へポジションを転換


中期的に高成長および高収益の事業を確立するための3つの主要戦略、最後の1つは「ポジショニング戦略」についてです。新たなポジションを確立することで、成長率(※)を20%以上に引き上げることを狙います。

(※)成長率は特に言及がなければ付加価値売上高成長率を指す。付加価値売上高は売上収益から外注費等を除いた社内リソースによる売上を示す独自指標。

クライアントのDXパートナーになりきれていなかった

前回までのnoteでもお伝えしましたが、当社はこれまで「Web運用」というポジションを確立したことで高い成長を遂げることができていました。

運用とは、プロジェクトにおいて戦略立案・企画開発フェーズの後にある、Webサイトやコンテンツの更新、効果検証、サービスやプロダクトの改修などのフェーズを指します。当社では、運用こそ価値創出の肝であると捉えサービスの付加価値を高め、クライアントの成果を創出してまいりました。

2021年3月期以降は、「VISION2030」において、Web運用からデジタルビジネス運用への転換を掲げ、事業領域を企業のデジタルビジネスへと拡大し、「運用」ポジションで高成長を目指していました。

運用領域においては、顧客満足度は継続的に高水準である一方、昨今のDXの潮流において、運用はデジタルテクノロジーによる様々な変革がなされた後に必要となる工程とみなされ、当社が想定していた成長には至っておりませんでした。

「DX現場支援」ポジションを確立する

また、企業のDXプロジェクトを実際に動かしている現場に目を向けると、PMやPMOと呼ばれるマネジメントを行う人材が不足、あるいは十分に機能しておらず、プロジェクトの推進に課題意識を持たれているケースが散見されました。

そこで当社がDXパートナーとして企業のDXプロジェクトの現場を改善し、支援することを目指し、今後は「運用」よりも前の工程である「実行企画」フェーズにおいてもサービスを展開し、クライアント企業の「DX現場を伴走支援」するポジションを獲得・確立してまいります。

すでに一部クライアントにおいて「実行企画」もご支援している事例がありますが、今後は「運用」で培ったノウハウをもって本格的に「実行企画」にも軸足を置き、クライアントのDXプロジェクトを支援してまいります。

現場を伴走支援」というコンセプトには、経営層へアプローチしトップダウンでDXプロジェクトを推進するコンサルティングファームやシステムインテグレーターに対し、その戦略を理解したうえでボトムアップアプローチでプロジェクトを実際に推進する現場を改革、支援するポジションを獲得することを強く意識しています。

2027年3月期に成長率20%以上を目指す


DXの現場が抱える問題

当社が今後強化する「実行企画」とは、クライアントの経営戦略やIT戦略に沿って、目標や成果物を設定し、DXプロジェクトを立ち上げ(企画)、目標に向けてプロジェクトを進行するフェーズを指します。

この領域では、PM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれるプロジェクトの責任者によって進行や納期、予算、品質などが管理されています。

近年、テクノロジーの進展やマーケットの変化が速く、ユーザーニーズが多様化する中で、プロジェクトにかかわるメンバーやステークホルダーも多様化し、プロジェクトの難易度が高まっており、人材不足も相まってPMが十分に機能せず、上述したようにプロジェクトがうまく進行しないといった問題を抱える現場が増えています。

この問題点を解決する存在が、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)だと捉えています。

PMOとは?

PMOとは、組織全体のPMを支援する組織または役割を指します。

PMが個別のプロジェクトを管理するのに対し、PMOは部門等の枠を超えて横断的に複数のプロジェクトにおけるPMを支援し、組織全体のプロジェクトが円滑に進むよう、社内リソースの適正な配分や関係各所との調整を行うなどの役割を発揮します。

PMOによって組織全体のリソースの適正化、品質の向上につながるほか、PM自身が本来すべき業務に集中することができることから、今後ますます需要が拡大する領域だと捉えています。

一方、PMと同様PMO人材も不足しており、当社ではPMO人材を多く育成・輩出し、クライアントのROI(投資対効果)を最大化させながら、DXプロジェクトの現場を支援してまいります。

すでに事例のある「実行企画」におけるサービスを本格展開

「そんなにうまくできるのか?」という疑問もあろうかと思いますが、すでに当社では日本を代表する大手クライアントよりご依頼をいただき、「実行企画」フェーズにおいてもサービスを提供してる事例がございます。
2024年3月期 決算説明資料及び中期戦略説明資料 P23参照)

その背景には、Web運用のお取引を通じて築いた信頼関係および実績があると考えています。

当社では「あたかもクライアントの社員」のようにクライアントのビジネスモデルや戦略、クライアントのユーザーを理解し、Web運用やデジタルビジネス運用を支援してまいりました。

そこで長年、成果を創出してきた実績をご評価いただき、プロジェクトの「実行企画」フェーズにおいても、一緒にできないかとご相談いただくことができたと捉えています。

この領域は、戦略策定フェーズから続いてコンサルティングファームやシステムインテグレーターなどが中心となって手掛けている領域でありますが、競合企業以上にクライアントのROIを最大化させることを目指し、本格的にサービスを展開してまいります。

PMO人材を300名以上輩出することを目指す

当戦略においては、PMO人材の育成・輩出を目標に掲げ、具体的にはPMO人材を2024年3月期67名から2027年3月期には385名へ、3年間で300名超の人材輩出を目指します。

この領域は、従来の当社の一人あたり売上単価に比べ高単価な領域です。また、「実行企画」フェーズから案件を獲得することで、その先の運用フェーズにもつなげることができると考えています。

単価向上ならびに案件の拡大を通じて成長率を引き上げ、2027年3月期に付加価値売上高成長率20%以上を目指してまいります。

編集後記


最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回のnoteを含む3回の連載を通じて中期戦略を1つのストーリーとしてご理解いただけるよう意識して執筆しました。

初回にもお伝えしたように、私たちができることは、全社員が一丸となり中期戦略を愚直に推進し、KPIや業績数値をもってみなさまにお示しすることだと考えています。

7月31日(水)15時に2025年3月期第1四半期の決算発表を行い、翌8月1日(木)には個人投資家向けの決算説明会を予定しています。
どなたでも参加できますので、ぜひご参加いただき、決算内容や中期戦略の進捗についてアップデートさせていただくとともに、質問・ご意見をお寄せいただけますと幸甚に存じます。詳しくは、後日アナウンスをさせていただきます。

引き続きご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

(担当:中島)

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