見出し画像

「はい、週刊少年ジャンプです」

「好きな本は何ですか?」

その人の人となりを知るためにそのような質問をされることがある。そんな時僕は決まって次のように答えるようにしている

「はい、週刊少年ジャンプです」

厳密には一冊の本ではないし、もちろん相手の期待している内容でもないだろう。しかし、このように答えてしまう。このnoteを読んでくれている人の中にも同意してくれる人は少なからずいるのではないだろうか。

初めて読んだのは確か小5の時、友達のお兄さんの部屋で何となく手に取って読んだものだと思う。当時はHUNTER×HUNTERも毎週連載されていた。いい時代である。初めて読んだ時の衝撃をよく覚えている。日常の生活に非日常への窓が開け放たれたような感覚だった。当時の僕はすっかりジャンプッ子になったのである。

それからというもの、僕は隔週で月曜日にジャンプを買って読んでいた。(毎週買うのは小遣いの関係があったので隔週で買い友達と貸しあっていた)日常の中でも週刊少年ジャンプが様々な影響を及ぼした。小学校の時の夢は海賊になることだったし。中学に入ると黒子のバスケにあこがれてバスケ部に入っていた。自分は背が高いこと、戦略担当であったこともあり自分をゴール下から動かないという紫原ポジションに配置したのも今となっては良い思い出だ。高校生になると当時連載されてはいなかったがDEATH NOTEにはまった。夜神月にあこがれて全国模試一位を目指したりしたものである。

いつだって週刊少年ジャンプは僕のバイブルだった。日常生活、学校生活のいたることろで行動を決める指針となったのだ。「あのキャラならどうするか?」「俺は○○だ!」などと考え行動したり。隙あらば往年の名言を使ったりした。面倒なことがあれば「だが、断る」、何か意のままになったら「計画通り」、絶望的な状況でさえ「諦めたら、そこで試合終了だよ」などと5日に8回くらいのペースで使っていた気がする(はっきり言って中二病である)ともかく我々の日々の生活の指針となってくれたのが週刊少年ジャンプだった。

そんな風に気楽し過ごしていたわけだが、人生には時々課題が訪れる。もちろん社会に出てから振り返れば大したことはないのだが、受験勉強などは当時の僕には結構面倒な課題だった。そんなときにはバイブルはまた別の方法で進むべき道を照らしてくれた。

以前少年ジャンプの編集者インタービューを読んだときに知ったのだが、ヒット漫画に作者のオリジナリティーが欠かせないそうだ。そのため、作者は自分の人生の中でのいろいろな体験をキャラクターの中に込める。漫画家の成功率を考えると作者の中にはアシスタントとして様々な体験をしてきた人が多いことは想像にたやすい。そんな人たちは世にキャラクター達を送り出すことを通じて、人生の様々な局面でどう対処するかを我々に示してくれたのだ。

「諦めたら、そこで試合終了だよ」
「諦めなければ必ずできるとはいわねぇ、諦めたらなんも残んねぇ」
「やれるだけの事をやったら男はドンと胸を張ってりゃいいんだ…!!」
「俺がなるって決めたんだ。そのために戦って死ぬんならそれはそれだ」

そんな週刊少年ジャンプの魅力的なキャラたちは僕たちにいろいろなことを教えてくれた。大学生になってからは少年ジャンプを読むことはやめてしまった。しかし、人生の様々を教えてくれたバイブルに誇れる生き方をしたいと強く思っている。

「好きな本は何ですか?」

その人の人となりを知るためにそのような質問をされることがこれからもあるだろう。どんな時でもあのヒーローのようにカッコよく生きるそんな決意を胸に、僕は次のように答えたい

「はい、週刊少年ジャンプです」と

ありがとうございます 書籍にオールインさせて頂きます。