シェア
秋山幽
2021年4月13日 22:45
朝焼けにも似た色の照明が、賑わうホールを明るく照らしている。等間隔に並べられた円テーブルは、どれも真っ白なクロスを敷いた上にぴかぴかの食器を備え、真ん中には花が飾られていた。 出席者は四〇人ほどか。誰もが正装をして、皆一様に楽しそうな顔で、同じ席の面々と話をしている。誰とも喋らないまま遠巻きにそれを眺めているのは、美鳥ひとりだった。 ぼうっとしていると、賑やかな声の間をすり抜けるようにこちら