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”キッチン染め”でコミュニケーションワークショップを行いました

先月末のことになりますが、「キッチン染めでのコミュニケーションワークショップをして欲しい」というご依頼をいただき、オンラインでワークショップをさせていただきました。

ご依頼いただいたのは、ルームクリップ株式会社さま。”自宅のお部屋の写真に特化したSNS"と言ったらいいのでしょうか、「RoomClip」というサイトを運営されています。私も前々職のころは、よくインテリアの商品開発の参考にしていました。

今回は、こちらのユーザー向けというわけではなく、ルームクリップさんの社内向け。コロナ禍でほぼ全従業員が毎日在宅勤務をしている状態なので、「オンラインでみんながコミュニケーションを取れるようなワークショップを」というご依頼でした。

私の活動の軸は"melt your measure."=既成概念を溶かし、新しいモノの見方を提案することです。この依頼をいただき、私なりのワークショップを作り上げることにしました。

「家にあるもので家にあるものを染める楽しさを知っていただく」をテーマに、担当者の方と事前の予行演習も行い、楽しいワークショップを行うことができました。

①参加者はそれぞれ、自宅のキッチンから

染めを体験する参加者(中には、材料が揃わないなどの理由で、コミュニケーション目的のみで参加される方もいらっしゃいました)には、自宅のキッチンでPCを見ながら参加していただきました。

もちろん、私もキッチンから。換気扇のレンジにクリップ式のスマホスタンドをつけ、お話をする時は顔を、説明をする時は手元を映すようにしました。参加者の皆さんは手元を映すことはできないので、皆さんの様子を見ながらの進行は、先方の担当者さんがアシスタントとしてフォローしてくださいました。

②まずは、beforeの写真をパシャリ

オンラインでキッチン染めワークショップ、という話をいただいた瞬間に「やりたい」と思っていたのは、こちら。before/afterの写真(スクリーンショット)を参加者みんなで撮りたかったんです!

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私(左上)は子供のTシャツでしたが、皆さん染めたものは様々。ガーゼタオルや靴下、子供の服などでしょうか…?

本当ならここで全員に語りかけたくなるのを、グッと堪えて、とりあえずパシャリ。なぜなら、このワークショップの制限時間は1時間。すぐさま生地の下処理をしたり、染液を作り始める必要があったからです。

③まずは下準備!

さぁ、今回選んだのは「紅茶染め」。紅茶って、いただきものをしまっておいて気付いたら賞味期限を過ぎてしまった、、なんてことがとても多いですよね。そんなのはキッチン染めには最適な材料!しかもとっても簡単なので、まず失敗もありません。

記念撮影を終え、自宅で用意していただいた材料や道具を使い、下準備を始めます。牛乳を使って染めるものにタンパク質をしみ込ませで染まりやすくしたり、お鍋にお湯と紅茶パックを入れて沸かしたり。一緒に参加されたお子さまは、牛乳の下処理をギュッギュっと揉み込む係でした。

④コミュニケーションタイムその1

下処理は漬け置き、染液は沸騰するまで時間がある、、そう、キッチン染めには「待ち時間」が必ずついてくるのです!ここを、今回のワークショップの目的である”コミュニケーション”の時間にあてることにしました。

私の活動では、「モノが持つストーリー」は一つの大事なキーワードです。今回皆さんが染めるモノ、「それは何?」「なぜ染めようと思ったの?」「染めたらどのように使いたい?」ということを、皆さんで紹介し合っていただくことに。zoomには参加者を複数のグループに分けてお話できる機能もあり、ここでは3つのグループに分かれ、話していただきました。

いつもは会社での姿しか知らない○○さんの、家での意外な一面が覗けてしまうのも、ステイホーム オンラインの面白いところですよね。染めそのものを楽しむことはもちろんなのですが、他の人が染めているモノの話を聞いたり、自分が染めるモノについて「へぇ、こんな使い方もできるよね!」なんて言ってもらったりすることで、仕事とは全然違うコミュニケーションが取れます。

⑤いざ、染液へドボン!

そうこうするうちに、お鍋にいい感じの赤みを帯びた染液が完成。下処理ボウルから取り出した衣類をお鍋にドボン、と入れてもらって、、、本当なら、モミモミと繊維に揉み込みたいのですが、まだ熱くて無理なので、冷めるまではトングでかき混ぜながら待ちます、、

⑥コミュニケーションタイムその2

あれ、気付いたら待ち時間の方が長いのか?なんて声が聞こえてきそうですね。たぶん、その通りです(笑)

ここでまた染液が冷めるまでの時間は、コミュニケーションの時間に。この回は、私と皆さんとのコミュニケーション!ということで、私から「キッチン染め」についての軽いお話と、「これは何で染めたでしょうクイズ」。お子さまがいの一番に答えて下さり、和やかに盛り上がりました。

その後、染まるまでの時間はまたまた分室へ。フリートークの時間を設けました。

⑦お鍋から取り出して、完成!

そろそろ持ち時間はあと10分…という頃に、お鍋に後処理をして、流水で流して完成!染め時間がわずかだったので、そこまで濃くはなかったのですが、皆さんしっかり染まりました。

⑧afterのパシャリ。

染まったものを手に持ち、最後は「after」の集合写真(スクリーンショット)。うんうん、みなさん染まってます。beforeの時には知らなかったみなさんの手に持っているモノの背景もこの時には知れてるのも、なんか嬉しいですね。

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まとめ

はじめてオンラインのワークショップというものをさせていただいたのですが、結果的に、とっても楽しく、有意義な会になりました。そしてこのワークショップ講師をやったことで、自分の活動の方向性もいくつか見えてきた気がします。

一つは、”キッチン染め”そのものへの手応え。家にある材料で家にある不要なモノを染める、そして不要なモノに新たな命を吹き込み、また使おう!とワクワクする。これを一人でも多くの方に体感してもらいたい、と、このワークショップで再認識しました。

そしてもう一つ、キッチン染めは”コミュニケーション”に適しているということ。文中にも書きましたが、染色とは待ち時間がとっても長いのです。この時間を活用した「実はこの服はシミがあったから着ていなくて、、」「これを染めたら絶対に可愛くなるね!」なんていうコミュニケーションは、不要なものを活用する楽しさの共有です。とても素敵な時間だと思いませんか?

今回、参加者の方からのアンケートで、私の話し方へのお褒めの言葉をいただきました。大変ありがたく受け止めると同時に自身を振り返ってみると、これまで、いろんなシーンでファシリテーターを務めることが多かったんですよね。そんな経験をも生かせるワークショップだったのかなと、思いました。

このワークショップは、私の中の一つの事業「染めニケーション」として、大事に育てていこうと思っています。

↑そういえば、私にとって初めてのキッチン染めも、実は紅茶染めでした。

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