【読書日記】『赤と青とエスキース』青山美智子著
久しぶりの読書日記です。今日、一気に読みました。
『赤と青とエスキース』 ✴️2022年本屋大賞第2位
青山美智子著 PHP研究所刊
以前、青山美智子さんのことをまったく知らずに書店でこの本をたまたま見かけた時、「なんて美しい装丁だろう」「見た目とタイトルはドンピシャ好み」、そう思いました。
アート関係の小説だな〜、とすぐ思いましたが、私は原田マハさんの大ファンなので、「アート小説はマハさんだけで十分かな」とその時は思って、素通りでした。
そこから2年たって、読むご縁が来たのですね〜。
こうして今、読了した直後の感想は、「青山美智子本で、いちばん好きかも」です。
全部で第五章ありますが、それぞれの章にそれぞれのドラマがあって、それぞれの登場人物たちが、孤独や喪失感を感じているような人たちに見えて。
それでいて純粋で。
恋や仕事をあきらめそうになりながらも、必死で手を伸ばしたら世界が開けるし、誰だって救われるんだ、という。
そんなドラマを見せてもらいました。
一章、ニ章と読み進めるたびに、青山本特有の(?)登場人物の濃いつながりがわかっていくので、そこにグイグイ惹き込まれる面白さがあります。
青山本の醍醐味の一つですよね。
後半、50歳を超えた、大事な登場人物の一人、“茜さん”が登場してきたあたりで、同年代の自分とすごくリンクしてきて、身につまされるぐらい共感しました。
小説のあらすじをさっと紹介するのが苦手なので、うまく言えないんですが、「一つの絵“エスキース(下絵)”で始まった、日本とオーストラリアをまたぐ愛と希望の人間ドラマ」、というところでしょうか。
愛と希望、そして、今まで読んできた青山さんの本の中でも、今回“再生”も強く感じました。
“希望”がある物語、私は本当に好きですね。
“感動”ということを人生で大事にしてきたけど、“希望”も絶対はずせない、最近よくそう思います。
読んだあと、こんな風に思えました。
「自分もゆっくり生きていいんだ」
「やりたいこと、やってみようと思っていいし、やっていいんだ」
「これからもきっといい出会いがある」
「希望を見て生きていこう」
「日々の生活とか、そばにいてくれる人(ペットも)の温もり、とても大事だな」
夢とか目標とか、たとえ今はっきり持ってなくても、希望っていうと、漠然としていても持てるじゃないですか?
明るい方を見ていこう、とか。
私はいつだって希望を見ていたいです。
希望を見て行動していきたい、と思う。
その想いを後ろからやさしく励ましてくれるような、そんな本になりました。
テーブルに置いてる佇まいも、素敵な本ですよ〜。
魔力を放っているかのよう✨
やっぱり、No Book, No Life. ですよ。
青山美智子さん、今回も素敵な本を、ありがとうございました!!
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