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「ごはん食べた?」があいさつになった、入院中の叔母のこと。
叔母のこと。
私には、小さい頃ピアノを習っていた叔母がいる。
叔母は、父の妹で、私の母と同い年。
20代からずーっとピアノ講師一筋で、ヤマハの教室でも、自宅でも教えていた。
中にはパリの音大に進み、ピアニストになった教え子もいる。
70歳を超えても自宅でピアノを教えていて、少し障害があるお子さんにも根気よく教えてたりもして、その子のお母さんからもとても喜ばれていた。
叔母はとにかくいつも動いていて、たとえば、庭の大きな大きな銀杏の実が落ちると、クサイのにぜーんぶきれいに洗って、いつでも誰にでもあげられるようにしていたり(通りすがりの人にもあげていた)、自分ができること、人を助けられることは、とにかくすぐ体が動いてしまって、助けるような人だ。
そして病気一つした事がなく、60代からクラシックバレエを始めて、レッスンを楽しみに通っていた。
その叔母が、80歳を目前にして、急にダウンした。
腰が痛いと言って寝込んだら、言葉も急におかしくなり、なんだか会話がかみ合わない。叔母のいう言葉がこちらに理解できない感じ。これはおかしいと思った叔父が病院に連れて行ったら、即入院だった。
しばらくICUに入っていたけど、今はリハビリ病棟に移っている。
面会もできるようになった。
身内が会いに行っても、こちらが誰かわかっているかどうかは、わからない。
ただ、叔母は元々よく喋るほうだったし、今もよく喋ること喋る。
喋るということは、ある程度、叔母が安心できてるということだと思って、お見舞いに行った時は、会話の相手をつとめるに徹する。
叔母が喋っているんだけど、なんの話かはわからない。
名詞がなくて、「〜だった」、、、みたいな部分だけ聞き取れるけど、発音もまだ不明瞭なので、なんのことを言ってるのかはわからない。過去のことを思い出して喋っているような感じでもある。
一生懸命、何かの話を聞かせてくれる叔母。
それでも、最近、顔見てすぐに「ごはん食べた?」と聞くと、「食べた」とは返してくれるようになった。
初めて「食べた」と返ってきたときは、うれしかったな〜!
おぉ〜、会話成立だぞ! 回復してるぞ〜!と。
面会時間は13時〜15時と決まっていて、面会に行く時間も食後に近いので、「ごはん食べた?」は会話になりやすいのかもね。
韓国語でも、中国語でも「ごはん食べた?」はあいさつ代わりだとよく聞くけど、たしかにそうだ。
叔母の回復を、すごく感じた瞬間だった。
私のこと、姪だとわからなくてもいいと思ってる。
帰り際に「また来るね」と手を振ると、バイバイ代わりの手を振ってくれる。
なんとなく親しみを感じてくれているから、それでうれしい。
これからも、よく食べて、よく喋って、看護師さんや回復士さんたちとリハビリして、それで叔母が回復していくような気がする。
私はというと、今週の強風の寒さのせいか?ちょっと腰が痛くなって「やばい!」と思い、腹巻したり、動きに気をつけたり、できる運動を無理ない範囲でしてみたり、しています。
体を柔らかくしたいです。
叔母のこと、文字に残しておきたかったのでした。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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