コーヒーを飲む権利
大のコーヒー好きです。
平日の朝は、準備が全て整ってから、コーヒーを淹れて、少しリラックスしてから出かけます。
朝のニュースやお天気、ワイドショーの喧騒から一旦離れると、ほっと一息です。
フィンランドには「カファヴィタウコ(kahvitauko)」という言葉があるそうです。
カファヴィ(kahavi)はコーヒー、タウコ(tauko)は時間。コーヒータイムですね。
カファビタウコは法律化されていて、勤務時間にもコーヒータイムを入れるのは義務のこと。
寒い国、綺麗な水、大戦後の復興の活力の為、など理由があるそうですが、こうしたマインドが幸せを感じる国、に繋がっているのですね。
この「コーヒーを飲む権利」是非日本にも取り入れて欲しいなと思います。
スモーキングエリアで上司も部下も関係なく、連帯感が生まれて距離が縮ま流っていう話を聞いて、タバコを吸う同僚達を少し羨ましかったりしました。
一服してきます、で10分間の休憩はOKなのに、コーヒー飲んできます、とは言いづらい。
会社でコーヒー休憩があれば、コミュニケーションも広がり、仕事も捗るような気がします。
あ、最近の会社は取り入れているのかもしれませんが、ドメスティックな私の会社はまだまだです。涙。
このカファヴィタウコという言葉は、標野凪さんの「こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。」を読んで知りました。
「おひとりさま専用」の喫茶ドードー。
何気ない言葉に傷ついた女性たち。相手は褒めているつもりが、ちょっとした一言に落ち込んでしまう。
店主のそろりさんがそんな女性たちの心に寄り添う一品をそっと差し出してくれます。
「君が正解のオムレツ」
「傷つかないポタージュ」
「時を戻すアヒージョ」
「自信がもてるあんバタートースト」
そろりさんとの会話とお料理で癒され、喫茶ドードーを出た彼女達は、上を向いてまた頑張れる。
春らしい爽やかな風が吹く連作短編集でした。
私は鈍感なのか、褒められたら言葉通りに受け止めてしまう方なので、どちらかというと、自分の発した言葉が人を傷つけていないだろうか、と考えさせられました。
なかでもデザイナーとして大活躍の70代の睦子さんに、昔の上司がかけた言葉。「睦子さん、すっごいね!」睦子さんは、「昔は大したことなかったのに」という意味に受け止めたという。
こういう褒め言葉、私も使っていないかな・・・との自戒を込めて。
言葉の大切さを考えさせられた一冊でした。
あえて言葉にしなくても寄り添うことができる。
しかし、人を癒すのも、励ますのも、やはり言葉。
大切な人にいつでも寄り添えるような、喫茶ドードーのような存在に自分もなりたい。なれていたら嬉しい。
そのためには美味しいコーヒーと甘いもの。自分への癒しも必要ですね。
なんて結局自分を甘やかしてる。笑
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