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国境を超える、移動するということ

 皆さん、こんにちは
 日々テレビのニュースを見ていると、ほぼ毎日メキシコから米国への移動を目指す人たちが取り上げられています。そこにいるのはメキシコ人だけではありません。周辺のガテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル…、陸続きの国々の人たちが徒歩で国境を目指します。子どもを背負い、一抱えの荷物を持って移動を続けるのです。
 私が関わっている日系社会も、海を渡り、国境を超えて移住してきた人たちの集まりです。アルゼンチンが他の国と少し異なるのは、他の南米の国から移ってきた家族がとても多い点です。私の周囲を見てみると…
Aさん:お母さんの家族はドミニカから来た。父は愛知から。
Bさん:母の家族はボリビアからで、父の家族はペルーからです。
Cさん:母の家族は北海道から来ています。父はパラグアイ人だけど。
Dさん:両親の家族とも沖縄からの移住。沖縄からボリビアに行ってここに移ってきたと言っています。
Eさん:私はブラジル人。アルゼンチン人と知り合って結婚してここに住んでる。私の家族は沖縄からで、彼の家族は北海道。だから日本に行くときは北から南まで移動して親戚に会います。
Fさん:両親が日本に出稼ぎに行っているときに生まれたので、私の国籍は日本。パスポートも日本ですよ。でも3歳の時に戻ってきたので何も覚えていないのが残念。日本人だから、ぜひまた行きたいけど、いつになるかな。

 まだまだ数が多いとは言えない私の知り合いだけでも、こんなに多様な家族背景を抱えています。かつてアルゼンチンは、豊富な資源があり、経済的にも安定した国でした。日本から南米に移住した人たちが、移住先の厳しい生活に疲れ、豊かにみえるアルゼンチンへ再移住していったのです。もちろんそこでも、大変な生活が続いた人も多かったことでしょう。
 日本でも難民のニュースが取り上げられるようになりましたが、実は同胞の中にも大変な苦労をして異国で生活を築いてきた人たちがいることに思いをはせれば、少し違った世界が見えるようになるかもしれません。

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