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ブエノスアイレスでいろんな学校を見学

 こんにちは
 こちらはイースターで長い週末になりました。おかげさまで小旅行をしたり、部屋の片付けをしたりのんびり過ごしています。
 こちらでは3月が学校の新年度開始となり、いろいろな学校が新学期を迎えています。(日本人の子供たちが通う「日本人学校」だけは、日本の制度に則っているので4月が新学期ですが)
 以前から見学依頼を出してあり、やっと授業見学に出かけました。
 見学したある日系の子供たちのために創設された私立学校は、寺子屋の時期を経て、今では幼稚園から短大まである立派な学校法人になっています。こちらの文科省にあたる教育省から認可を受けた正規の学校ですが、面白いのはカリキュラム。午前は通常の授業を母語であるスペイン語で受けて、午後は日替わりで日本語と英語を学ぶシステムになっています。
 また、大きな特徴として日本的な教育を取り入れていることが挙げられます。整理整頓、あいさつ、相手を思いやる心など、現地の学校では見られない取り組みが随所で見られます。
 学校ができた当初は、午後は毎日日本語だったそうですが、親世代から「英語ができないとこの社会で生きていくのに不利になる」との要請があり、スペイン語、日本語、そして英語のトリリンガルの学校になりました。
 そのおかげもあって年々、日系ではない子供たちの入学が増えていき、何と今では、在校生の8割近くが非日系と言われる欧州系のアルゼンチンの子供たちです。他にも中国、台湾、韓国など、東アジアの子供たちの姿も見えます。
 どうしてあえて日本式の学校で子供を学ばせるのか、ちょうど居合わせたお母さんに話を聞くことができました。
「日本人は礼儀正しく、いつも相手のことを考えて行動します。また何をするにも丁寧で、清潔を保つ考えもすばらしい。ぜひ子どもにこの習慣や考え方を身につけてほしいと思い、この学校を選びました」
 とてもうれしい感想を聞くことができました。
 しかし、未曾有の経済危機に見舞われているアルゼンチン。授業料が払えなくなり、公立に転校していく子どもも少なくないそうです。本人にはどうにもできない理由で環境が変わってしまうのは、どの国にもあることとはいえ、かなりしんどいことだろうと胸が痛みました。

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