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アルゼンチンに相撲を広めたい! 女子相撲選手の胸躍るチャレンジ

 みなさん、こんにちは。今日はJICA仲間の今日和(こん・ひより)さんについて書いてみます。世界選手権2位の実力を持つ今さんはこの4月、協力隊の一員としてアルゼンチンにやってきました。彼女のミッションは選手強化と相撲の普及です。日系社会があるとはいえ、日本から一番遠い国ということもあって「すもうって何?」という人がほとんどのお国柄。そんな異国で相撲について話し、自ら見せて、お試し体験を通して興味をもってもらうのは大変な仕事です。しかし、持ち前の機動力を発揮してまずはいろいろな日本語学校を回っていると聞いて、ぜひ応援したいと思っていました。
 そして昨日、私にもとてもなじみのある西部日本語学校でデモンストレーションを行うと聞き、さっそく駆けつけました。西部日本語学校はブエノスアイレス州の西部にあり、日系の子どもたちに日本語を教える目的で設立された学校です。今では日本語はもちろん、墨絵、俳句、空手、合気道、剣道など文武両方のクラスがあり、地域の日本文化センターとして大変にぎわっています。日系以外にも門戸を開いたこともあり、日本語クラスだけでも生徒が200人を超える人気校になりました。

西部日本語学校
入口ではアルゼンチンと日本の国旗が出迎え


 さて、相撲イベントには老若男女50名以上が参加。相撲について簡単な話を聞いた後は、今さんが指導中の選手たちが模範となって基礎的な稽古を見せ、取り組みも披露しました。その迫力に会場からはどよめきもわきます。
 いよいよ集まったみなさんの体験の時間になりました。塵手水(ちりちょうず)、四股(しこ)、すり足など、相撲の特徴的な動作を見よう見まねでやってみたあとは、いよいよ取り組みです。

相撲の基本姿勢を学ぶ参加者のみなさん©guillermogonzalez
行司を務める今さん©guillermogonzalez

 武道を習っている人たちもいて、選手と好勝負を繰り広げる一幕も。会場は「バモス!」「ファイト!」と大変な盛り上がりを見せ、冬だというのに窓を開けて扇風機を回すほどの熱気となりました。また、ときおり今さんが日本語で冗談を言うと笑いが起きることも。日本語を学ぶ人たちも生きた場面で「日本語わかった!」が体験できて、すごく楽しかったことでしょう。それを見られたのは、私にとってもこの上なくうれしい時間でした。
 一人で海を渡り、自分が情熱をかけているものをもっと世界に広めたい。国境も言葉も性別も超えた今さんのチャレンジは始まったばかりです。


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