おばあちゃん

先日、祖母が亡くなった。
それからというもの、私は実感がないと言いつつ、祖母の顔や温もりを想い出す度に泣けてきてしまい1人で泣いていた。

今日、ある夢を見ていた。
すると、急に昔の実家の自分と祖母の部屋に、自分が寝ている事に気が付いた。
そして、感覚がその頃に戻っていた私は、唐突に不安になった。
「あれ、おばあちゃんがいない。なんで」
いつもの布団にも居ない。
そうして不安感に苛まれていると、祖母の顔がふと浮かんで、私を見つめていた。
「あ、おばあちゃん。
おばあちゃん。私、がんばるからね」
祖母は微笑んで、こう答えた。
「うん、がんばってね」

そのあと、私は現実に戻った。
既に滔々と涙が流れていて、そのまましばらく泣いていた。


祖母が、最期の挨拶に来てくれたのか、自分の潜在意識なのかは分からない。
自分が、それ程にショックを受けているのだという事、実感がなくても分かってしまった。

私は、祖母が大好きだった。
だから、祖母が認知症になった時、とてもとても心配した。

私は何もできなかった。

祖母は幸せだっただろうか。
ひ孫を見せてあげられた事だけが、よかった事だろうか。

こうして、時が流れていく。

四月一日、嘘の日、嘘みたいに

祖母は空へ旅立った。
#エッセイ #日記 #夢

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