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その日々を忘れないように・4/18-4/24

20/04/18 糸のような雨の日
 近くの和菓子屋さんで柏餅を買う。
堤防の桜並木は新緑に着替えている。
季節は確実に巡っている。
しかし、肌に打ち付ける風はひと月前のように冷え込んでいる。
ただの気象条件なのに別の理由を重ねてしまう。

20/04/19 野点珈琲の日
 カホンとギターで野遊び。
パートは私はカホンで同居人がギター。
山崎まさよしの「中華料理」を叩いてみる……もAメロで挫折してサビで復活してまた2番のAメロで挫折。
まだまだですな。
この自粛期間に叩ける曲が増えたら良いなあと思う。
 夜は生配信や期間限定配信でYouTube三昧。
ここんとこずっと音楽が楽しくて、読書が捗んない。
 そろそろ寝ようと思って布団に入る。
足の先っぽが冷たいので寝つけない。
さっき降り出した雨に耳を傾ける。
試験放送の砂嵐のよう。

20/04/20 すっきり晴れてほしい日
 LINEのビデオ通話でオンライン飲み会をする。
数ヶ月前の何かのドキュメンタリーで女子高生が帰宅後ずっとビデオ通話で話していて一体何が楽しいんだろうって疑問に思ったけど、何となくわかる気がした。
次は週末にやろうと約束。

20/04/21 夜散歩の日
 白線と側溝とマンホールだけを歩く小学校低学年並の遊びをしながら散歩する。
不意に懐かしくなって楽しかった。
あー、鮫が来るーなんて言いながら。
しかし家まであと数十メートル、見通しの悪い緩い下り坂で、かつての記憶を思い出した。
この道がかつての道に繋がった。
交通事故とは大袈裟だが、車にぶつかった小学校の通学路の帰り道。
ランドセルを背負いながら見通しの悪すぎる坂をダッシュで下って、飛んだ。
(ただ飛ばされたという補正された記憶があるだけ、あの速度では人は飛ばない)
例えるなら教習所のヴァーチャル運転(ゲーセンであるような筐体に乗って模擬練習するやつ)で出てくる死角から突如現れる意味不明な通行人。
余りに唐突すぎて轢いてしまった人も少なくはないはずだろう。
あれを、リアルで、やったのだ。
走って、出会い頭、飛んだのだ。
そんな奴は被害者ではない、寧ろ加害者。(自虐)
幸いにして田舎道なのでスピードも鈍かったので奇跡的に外傷もなかった。
(見た目には表れてないだけで頭は悪くなったのかもしれないな!・自虐その2)
寧ろ可哀想なのは運転手の町内のおばさんとほうだ。
お見舞いのフルーツの盛り合わせを持ってきてもらったなあ、と呑気に思っていた。
かように記憶の再現は容易い。

20/04/22 実家ごはんの日
 シチューと肉親ならではいがみ合いのほとぼりが冷める距離を帰って実家ごはん。
公的な仕事をしている両親は今回の事態について考えるべきところが多く、耳を塞ぎたくなるような現実を愚痴っていた。
(無作為に入れるのではなく自分選んでいる、と思いたい性質だ)
収束したときに大事なものさえ残っていればそれでいいやという一部から怒られそうな心意気の上でのほほんと暮らしている、まるで危機管理能力が薄い私とは話が合わない。

20/04/23 3月並の日
 月曜日に話していた友人と2人でオンライン飲み会。
ビニール手袋の上から消毒液をかける人間がおること、家電屋からハンドブレンダーが消えること、動画あるあるの「手をクロスさせて商品紹介するのはピント調節の仕草」だということ、などなど盛り沢山の2時間半。
ただ1時間半回ったところで「会いたい」と思い知らされる。
まるで120分コースでデリヘルを呼んだ人間の気持ちが良くわかる。
賢者タイムのち身支度、嬢と話せるのはあと30分しかないんだっ!……とまあそんなテンション。

20/04/24 
 正も誤も善も悪も実も虚も美も醜も。
対比される全ての事柄をすっ飛ばして、生き残ったら勝ちです、またはそこが人間の価値です……って緩い感じで良いんじゃないんだろうか。
寧ろ、そこしか考えてない、正直。
できるだけそこそこ良いポジションでいたいね、やっぱり。
漫画版『風の谷のナウシカ』で好きなのはクロトワですから確実に狙います、ボロボロになってもしぶとく生き残る奴の立ち位置。
以下、SNSのマイアカウントに対する自己批判。
【写真貼っつけて「今年の夏はモヒートが捗りそうだ」なんてくそみてえなこと書いてんじゃねえよ、(ピー)が!】
そうです、7倍希釈くらいのカルピスみたいな戯言しか言わないので実名SNSでは暴れ足りないのです。
あそこは「私と思われたい私」の、言ってしまえば虚像を描く場所です、はい、noteにはリンク貼りたくねえ実像です。


ま/と/め
 自称・変温動物なので周囲の環境によって生き方が変わる。
主体性は端からない。
が、今、だいぶ不寛容な世界に思える。
感受性が高いといえば当たり障りのない自己証明だが、一方では引っ張られやすいのだ。
例えば仕事場においてお客様の心ない仕草に対してイラッとする回数が多い、そこは反省点とするとして。
行く先に望みだけを託して其処までを悲観的ぶりやがる自分なんて真っ先にぶっ飛ばすべきだとわかっている。
諦めという皮を借りた開き直りは性質が悪いのだ。
抗うべきは抗い、愛すべきは愛す。
読んでくれてありがとう、ではまた来週。

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