区長、辻千恵が仮想未来区役所で叶える循環型の社会のカタチ
刻々と葉が色づいていく晴天の下、夢に向かって運営3年目を迎えている、仮想未来区役所区長、辻千恵の紹介をしよう。彼女は今、新たな転換を図って幾度目か進化の時を感じている。
今回のお話の中で出てきたことは3つ。
だ。
彼女の話す”インクルーシブな社会”とは、一体どんな社会のことをいうのだろうか。そして、今後未来区はどう転身していくのだろうか。また新たなステージへの飛躍をのぞむリーダーの想いに迫った。
1.もったいない生き方ってなんだ
短期大学在学中からのおよそ20年、障害児者福祉施設や医療機関で保育士として、療育や生活支援などの職を経て、今に至る。
彼女がそう感じるきっかけとなったのは、22歳の頃障害児者地域支援センターで勤務していた時の社会の通念的な価値観と目の前にいる生身の子ども達から受ける印象との間に大きなギャップを感じたことが始まりだ。
当時は”障害”は今にも増して悲観されるものだった。
”障害”という名前がつけられた子どもたちは手厚い福祉制度のサポートを受け、施設に入ることで、彼らが日々の生活活動に不安がないよう社会的に”守られている”ことになっていた。しかし、本人の意欲が削がれているように感じて歯がゆい思いをしていた。と辻さんは話している。
辻さんが”インクルーシブな社会”というものがこの地球の未来に必要なんだと奮い立ち、できたのがこの仮想未来区役所
では、辻さんの語るインクルーシブな社会とは、どのような社会なのだろう。
2.ワンピースな社会=インクルーシブな社会
昨今”インクルーシブ教育”や”インクルーシブな視点”など、メディアでも耳にする機会の多くなったこの言葉。
Wikipediaでは以下のように定義されていた。
《インクルーシブ》
「包み込むような/包摂的な」という意味。
「ソーシャル・インクルージョン」(社会的包摂)という言葉から来ており、これは「あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないよう援護し、社会の構成員として包み、支え合う」という社会政策の理念を表している。
この言葉だけを見れば、前述の”障害者”も排除されることなく擁護され、社会の構成員として包まれているようにも感じられる。
社会で定義される障害の有無にかかわらず、どんな人にも
意欲や想いが満たされる環境でお互いの個性や能力を発揮する社会のモデルを仮想未来区役所囲炉裏で作るということなのだ。
3.《こんなのあったらいいなー》からしか始まらない。
辻さんは、その社会を実現するために必要なことは各々の《あるもの=意欲》をカタチにすることだ語っていた。
人がワクワクして、やってみたいと感じたその想いは、まさに、子どもの頃でいう”この指とまれ”に匹敵する求心力を持つ。
あなたも、あんなことしてみたいなー。こうだったらいいのになー。と頭の中で想像が膨らんだことがあるだろう。
しかし、そうはいっても
自分なんか、、、とか
どうやってやったらええんや、、、とか
いい大人になった今更、、、とか
そんな風にいろんな理由をつけて諦めてしまった想いはないだろうか?
例えば先日こんな話があった。
他にも多数のエピソードが仮想未来区役所には存在している。
4.”ひとり”でできないからインクルーシブなんだ
そんな《あるもの=意欲》を生かし合う場とはいえど、そんな仕組みを作るためには苦労してきた。
仮想未来区役所にはルールがない。
あるのは誰かの《この指とまれ》的な意欲に賛同し、区民が集まるという仕組みたった一つだ。
ルールや規則があることに慣れてしまった私たちは、この仕組みの前に、おののいたり、戸惑ったり、本当にこんな私の想いに応える人がいるんだろうかという不安に駆られる。
意欲があるにも関わらず、自発的にどう声をあげていいのかわからないという事態に陥った。
インクルーシブな社会を実現するには以下のようなことが不可欠だ。
”自分だけではなく、他の区民の意欲や行動に関心を持つ”
にも関わらず、辻さん”ひとり”が他の区民と多く触れ合う機会を持っていたため、協働に至らず辻さんだけが忙しく動き回ることとなり、疲弊していた。
ということに彼女は気づいた。
ここにきてようやく実感をもって気づいた辻さんは、困っているという自分の気持ちを仲間に伝え、改めて、自分の望んでいた地球の未来に向かって、再稼働した。
辻さん自身もそんなインクルーシブな社会の中で育っている。
自分の中にある意欲に気づいたあなたは今この瞬間から仮想未来区民だ。