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【写真】冬枯れのガーデン

別に耽美主義という訳でもないのだが、定期的に『美』に飢えて、美しいものが無性に見たくなる時がある。現在、ビクトリア州のアートギャラリーでボナール展が開催されているので観に行こうとも思ったが、日曜日のアートギャラリーがカオスなのはわかっているから、この展示会は週日に行くことにした。さて、どこに行こう?

思いついたのが、ダンデノン丘陵にある大好きなガーデンの1つ。美しいイングリッシュ・スタイルのガーデンで、パンデミック前はここで撮影した写真をポストカードにして販売させて貰っていた。ガーデンはやはり春や秋が彩りがあって楽しいのではあるが、雨上がりの冬枯れの景色も嫌いではないし、久しぶりにこのガーデンを散歩したいと思った。

ダンデノン丘陵は、『メルボルンの軽井沢』と言ったところだろうか、いわゆる避暑地で、夏は瑞々しく生い茂った木々に囲まれて涼しいのだが、冬は寒いと雪が降る。今日も雪は降っていないものの、寒くて毛糸の帽子やダウンジャケットは必須であった。

私はと言えば、なんだか自分でもよくわからないが気合いが入って10kgほどのカメラバッグを担いで歩いていた。冷たい風も久しぶりに気持ちよくて、どこからか漂ってくる暖炉の煙の匂いに包まれて、写真撮影に没頭した。

写真は私にとっては瞑想みたいなものだ。レンズを通して自然とコネクトして一体となり、日頃の煩わしさを一切忘れて、頭も心も『無』の状態にする。以前は数時間で250枚ほど撮っていたが、今日はたったの50枚(笑)。冬ということもあるが、一体どうしたのだろう…(苦笑)


最後の一葉
背景が小さな玉ボケになった…


陽の光を浴びながら風に靡くススキが美しかった


冬の光と枯れ紫陽花


枯れ紫陽花


冬だというのにまだ色を残していた紫陽花


この傾き加減がたまらない


最後まで寄り添いながら…

予想通り、枯れ紫陽花の写真を沢山撮ってしまった(笑)紫陽花は、咲き始めから花びらがレース状になるまで、どのステージでも楽しめる花だと思う。枯れ紫陽花を愛でる日本人の写真家は多いが、これはやはり侘び寂びの文化が根づく日本だからこそ通じる『美』なのかもしれない。



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