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毛糸。

海まで来てみると、
海はすべてアメジストセージで、
音もなく波うっていた。
海原は草原のようだった。
水のないみずぎわをしばらくあるいた。
暗い雲が激しく流れていた。
靴を脱いでアメジストセージの浅瀬に入っていった。アメジストセージの毛糸のような花が
素足をなぜてからひいていった。

#おはなし #小説 #短編

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