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【詩】渦巻閃光

悲しい記憶は焼け憑いて残るのに
嬉しかった記憶は灰となって散る

所詮は風に吹かれるともしび
燃えようと頑張ればそのぶん
終わりがくるのは早いんだよ

たとえば人生がすごろくなら
自分がどこにいて、終わりが
どこにあるかすぐ分かるのに

わたしはいまどこにいるの。

蟲避けのうずまき線香の
先端みたいだなって思う
一所懸命燃えて働くのに
最期がいつか分からない

与えられた役目を果たすことで精一杯だから。

今宵は夜風が心地よいから
いつもより早く燃えられる
早く終わっちゃえばいいのにな

TRIGGER.
STRANGER.

わたしはもはや見知らぬひと
そんなちゃちぃことで見失う

かぜがひとつ吹き抜けて
焼け跡をひとつ落とした

酸素を吸い込んで残す対価は
白くて脆いカスと二酸化炭素

せかいをわたし軸で見るならば
いまを生きるために空気を吸う

わたしをせかい軸で考えるならば
みらいに背いてゴミを吐く害虫だ

どちらも間違っているなんて思わない

久し振りだね、相変わらず出てきた時は元気だね
スマートフォンはあなたのうたを聴かせてくれる

もし太陽が昇ってもこのままだったら
この溜まった反吐ロを捨てなきゃあな

またひとつ風がふっと通り過ぎて
火種に一瞬のフラッシュをくれた

わたしのためにせかいでいきをしていきるいみをしる。

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