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「扁平の魚」

医者を訪れる時、いつも見る扁平の魚

私は、その魚の名前を知らない。

何時も眠ってしまうので

じっくり眺めるのは久々である。

扁平の魚は水中草に付く何かを食み

一頻り終えると水面の泡を食む

小粒の泡を食み終えると

また水中草にいる何かを食み

そして水面の大粒の泡を躱し

小粒の泡を沢山食む

今まで私は

水槽の壁にへばりつく

扁平の魚しか知らなかった

この扁平の魚の生き様を知って

人生の何かが変わる訳ではない

しかしそれでも、この扁平の魚には

心の底から湧き上がる

理解不能な愛おしさを

感じずにはいられなかった

どうか、どうか、どうか

何時までも、お元気で。

(2022/10/17 13:50:35 風木愁の独り言)

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