「朦朧」

酒、煙草、薬
意識が朧気になった時に
脳の制御が麻痺して
腹ん中を晒け出せる

暗闇は良い
感覚が麻痺する
この世の終わりはこんな感じなのかな
世界が終わる時はこんな甘美な闇なのかな

欲を言えば素敵な人と過ごしたいよ
自制しなければならないけれど
親への借金は八桁
俺とくっ付く人に申し訳ねぇんだ
孤独を受け入れろ
受け入れて孤独と思わなければ良い

今の生活に慣れていけ
高い生活水準を求めるな
俺になんざ誰も寄り付かねぇよ
分かっていても
制御不可能自暴自棄
止め方が分からねぇんだ

現状で満足しろよ
十分に満たされてるんだから
わざわざお前は幸福だなんて言葉は要らねぇ
その言葉が却って幸福を揺るがせる

こうなっちまった時
眠りに落ちて、そのまま目が覚めなきゃいい
なんて事を考えながら目を瞑る
冥界の入口に立てたらなぁ
これ以上無い苦痛が待っていたとしても
今もう既に苦しくて痛くて仕方ねぇ

解放
楔を外せ
現実逃避
逃げるには何もかも足りねぇ
立ち向かうしかねぇんだな
痛みを抱えて孤独と添い寝
人生なんてそんなもんだ

俺の気持ちを理解しようとしても
共感は出来ても理解は不可能だ
それは俺以外にも言える
理解をしようとする事は可能
完全に理解し共通の痛みを抱える事は不可能

数え切れない苦痛の中に
一筋の光を探して呼吸をする
見つからなくても探す
見つかればいいなぁ

誰も何も俺を縛らないでくれ
頼むからさ
毎日どこかで消えられたら
それが俺の求む幸福さ

理解なんて
出来る訳がねぇよなぁ。