｢左眼｣

一期一会に別れを告げ
出会ったのはこの酒
優しい喉越しとは裏腹に
私をとことん狂わせた

酒に敗北したのはご無沙汰
今迄捩じ伏せてきた筈なのに
今日はこの酒に理性を殺された

徒歩十分の距離が程遠い
響く踏切の警報機
それでも正気を保たせたのは
固く閉じた右眼と
カッ開いた左眼だった

利き目は右眼のはずだった
歩く人の影響なのだろうか
私の右眼は固く潰されてた
代わりにカッ開いた左眼が
家路を教えて正気を保った

何故左眼？
推の影響？
Allen救？？
無事帰還？
無事非ず？

ともあれ布団に横たわり
あざらしを抱きて寝るは
紛れも無き事実であった
Masterに介護された階段
渡りきることが出来た踏切
無事に篭れた自宅の布団に
迎えてくれたつちのこと
大きなあざらしのぬいぐるみ
汚さぬ様に愛おしく抱いて
素敵な夜を迎えたいなぁ
目覚めた時には記憶が残るか
分からないけれどねぇ。

どうして左眼のお陰で
帰ってこれたか知らぬが
私の限り無く零に近い
視力の左眼に感謝して
今日と云う日に別れを告げ
夢の世界へ旅に出ようかな

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泥酔し切った
情けなき風木愁の
心の雄叫びを聴いて下され
面目ないね、申し訳ない。