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太陽と雨と荒くれ者

 台風が接近しているのに、今朝はまさかの晴れ。六時二十分に起きる習慣が完全に身に着いたので、目覚まし無しでその時間に目覚め、洗濯物を回し、散歩に出掛けた。
 数枚の我ながら素敵な写真も撮れて満足。後輩の祖母にも会って話すことができた。そして、久々に吸うジャングルジムの頂上での煙草は、やはり美味しかった。

 授業に参加しつつ、行事無しの流れに慣れなければならなくなってきた。空き時間は睡魔と戦いつつ、何とか一週間を乗り切った。月、火、金曜は少し早めの退勤だったけれど。
 生徒たちは相変わらず素直で優しく、温かい。去年担任していた教え子の親御様と話す機会もあった。「戻ってきてくれて、良かったです。」という言葉に涙が出そうになりながらも、「今後ともよろしくお願いします。」と深々と頭を下げた。

駐輪場で花に乗って寛ぐ蛙。
なんて可愛いんでしょう。

 月、火曜は先日日記に書いた通りだったが、金曜は少し事情が違った。家庭内での大事件である。あの阿呆が、母親と断絶間際という連絡が木曜の夜に来たからだ。
 経緯や詳細は省くが、母親が呆れ返る出来事が発覚した。俺は一年前から知っていたので、寧ろ話してなかったんかい、って感じだったけれど、母親は完全に愛想を尽かした感じ。

 俺はできる限り脳味噌をフル回転させ、金曜の朝に親父に「力を借りるかもしれない」と話をして、力を借りる為の条件を呑んで出勤した。仕事を終えてすぐに母親の元へ車を飛ばし、母親サイドからも話を聞いてきた。そして妹のバイト先で食事と酒を嗜み、計三軒連れていってもらって飲んできた。すっかり酒は笊になり、全く酔わなかった。今日の一曲にする「梟」をカラオケスナックで歌わされた時は全てをブチ撒けて絶唱してきたので、ヘドバンが少し足に来たけれど。

二軒目のBARにあった絵本。
子どもにも伝わるような短文と絵で、
俺が感じてきた苦痛の日々を描けてて感動した。
訳もとても分かり易かった。流石、谷川俊太郎氏。

 そして妹の家に泊めてもらい、翌朝全てを話し、その上で明日動くぞ、と言った。
 結論から言うと、俺はもう関与しないことに決めた。自分の話は聞いて欲しい、でも俺の話は聞けない、そして口ばかり達者で楽な方甘い方へと自ら流れていく様を見て、最早俺の脳味噌と体力とコペンちゃんのガソリンその他諸々全て無駄だと悟ったからだ。

 母親にも伝えてきた。それでいいでしょ、って感じだった。母親の呆れ返った感覚が非常によく分かった。俺も同じ感覚なのだろう。ダラダラ過ごして、オトモダチと傷を舐め合って何とかすりゃいい。
 折角戻りかけた親父との繋がりも、これで切れた。完全に血縁から浮いてしまったね。俺はもう知らん。

 唯一頼って舵を切り直してくれるとしたら、それはきっと露払いの朋輩だろう。今朝晴れたのも、きっと露払いの力だって何となく思ってる。俺はMr.雨男だし、それをも振り払う凄まじき晴れ男パワーは衰えないね。
 昨日は親子丼作って、お昼に久々のカルボナーラご馳走したよ。チーズ入れ忘れて後入れで溶かしてみたら、やっぱり美味いこと美味いこと。絶賛してもらえてあたいも嬉しや。

粉チーズと黒胡椒で見栄え良く見える。

 彼は、ぶきっちょだけどとても優しくて真っ直ぐ。時々トイレの電気消し忘れるし、風呂場閉めっぱなしの時もあるけど、全部許してお釣り出せるレベルよ。あいつのオトモダチの中で唯一幸福の未来への進言をくれるのは、きっとあいつだろうね。響かせてやってくれよ。笑

 タイトルの由来は、俺とあいつと最近親父から貰ってきて足りない分買い足した「荒くれKNIGHT」という漫画から。「湘南爆走族」でお馴染み(?)の𠮷田聡氏の作品。
 親父が若い頃から連載していて、物語を完結させる為の章が未だに描かれ続けている。凄いことだと思う。「湘爆」もそうだが、𠮷田聡氏はキャラクターの個性を上手に引き出すのが本当に上手だと思う。俺は文章書きだが、漫画も一種の創作活動とするならば、真剣に尊敬する。

 「荒くれKNIGHT」は、二人の主人公が属するチーム「輪蛇」のメンバーを中心として繰り広げられる、はちゃめちゃな日常と心に重く響くシリアス回。不良達の「青春」である。その中に、昔からの「男としての生き様」を見つけた気がして、最近寝る前に眠くなるまで読んでいる。
 不良達は「拳」で語り合うが、令和の先公は「言葉」で語り合い、心に響かせなければならない。主人公の一人・善波七五十の拳は、怒りを叩きつけるというよりも、曲がったものを叩き直す拳だと、登場人物は語る。俺の言葉も、時には酷く厳しいけれど、そういった伝わり方をさせられるように、日々自己研鑽しながら戦っていこうと思う。それが社会人として、子どもと過ごす大人としての青春だ。

 今日の一曲は、先述した通りメリー「梟」。最後の語りが痺れる。一度参戦したライブで演奏されたことがあったが、その時にこの曲を知らなかったことは今でも悔やまれる。いつか、兄妹共々羽ばたこうではないか。

狂い咲け 燃えて散れ
闇に降る 星になれ
羽を広げ 歪んでる
この世界を 切り裂いて

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