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【入浴日記】道燈

心に残るひとかけらの虚しさを
飲み干す為に酒場へ行った

そのひとかけらは
飲み仲間とMaster達に
呆気無く砕かれ
飲み干す事は容易かった

客が私一人になって
ぼちぼち家路を歩もうかと思った時
お洒落なお兄さんが来店した

その方と酒を交わし始めた時
もう一人、心優しいお兄さんが
南の島から帰ってきたと来店した

その二人とは話すのも初めてだったが
すぐに意気投合して話が咲いた

珍しく残業した
課された得意分野を片付ける為に

お洒落なお兄さんが隣に来た

「君はさ、心が病んだ時に教え子傷つけた?」
-いえ、寧ろ教え子に救われてました。
「ならさ、それでもう満点じゃん。」
-そうですか......?
「だって大事な教え子に当たらなかったじゃん。」
「それだけでもう十分頑張ったよ。」

心が、また救われた。

そのお兄さんと約束をした
「それ明日終わらせたら酒一杯奢ってやる」
-何としても、明日終わらせます。

そして迎えた今日
日中の疲労と睡魔には敗北したが
ドーピングと引き替えに目標を終えた
明日、推敲して提出するだけだ

今日も残業だったけれど
負けかけた時にドーピングを選んだのは
間違いなくあの約束だ
消えかけた燈を燃やしたのは
間違いなくあの約束だ

道を照らすものは
眩い光でなくて良い
か細く強く燃える
橙色の燈で良い
真っ暗な道だから
先が少し見える位で良い

またもや出会いに感謝です
進むべき道を教えて下さり
ありがとうございました。

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