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ハレもケもハレ11 : 友人の結婚式に参列して

お付き合いをしている彼と同棲を検討し始めたのをきっかけに、人生とは?結婚とは?家族とは?を考え始めた今の心境を書き綴ることにしました。

今回はタイトル通り、友人の結婚式に参列して考えたあれやこれやのこと。

🕊

人生で初めて友人の結婚式に参列した。

高校時代に何人かのグループで親しくしていた友人だったけれど、なかなかこのご時世で集まれずにいた。最後に会ったのは就職する前にみんなで集まった時なので、もう3年も前になる。
日本全国に散った彼女たちとSNSでなんとなくの近況は共有しつつも「次に会うのは誰かの冠婚葬祭かな」と笑っていたのがほんとうになった。昨今の感染事情を踏まえ、何度も抗原検査やPCR検査を受け、万全の予防をして臨んだ。


式場で彼女を待つお相手を見たとき、そしてバージンロードを歩いてきた彼女を見たとき、こころが震えた。ウェディングドレスを着た彼女は、ほんとうにほんとうに綺麗だった。

ああ、わたしたちいつのまにか歳を重ねていたのだ。

友人の中には彼女を苗字呼び捨てで呼ぶ子もいたのに、もう別の苗字で彼女は生きているのだ。お祝いムービーの中で当たり前のように新姓で呼ばれる彼女を見て、ジーンとした。

このご時世で何度か結婚式を延期しているあいだに、彼女が結婚してあと数日で1年が経つ。お相手の方とは今回初めてお会いできて直接ご挨拶させていただいたのだけれど、本当にとびきり素敵な方だった。物腰柔らかく、優しそうで、彼女を見つめる眼差しがずっと愛おしそうな方。そして彼女もまたそんなお相手を大事そうに見つめていた。本当にお似合いのふたり。

ああ、いいなあ。素敵だ。
こうして2人はもうとっくに家族になっているんだな。


そんなふたりを見ながら、お付き合いをしている彼の顔が何度もチラついた。
もし今後そういう機会に恵まれると自惚れつつ仮定するなら、きっと今日見たお相手の方と同じように、彼もすごく緊張した面持ちをしているのだろうな。スーツ姿は見慣れているけれど、礼服姿はまた格別にかっこいいのだろうな。そしてできればそれを1番近くで見たいとも。

ただ、「わたしも結婚式( 厳密にいうと、披露宴 )がしたい!」とは思わなかった。意外だ。人に影響を受けやすいタチである自覚はあるので、てっきりそんな気になるかと思っていたのに。
念のために述べておくと、今回の結婚式はとびきり素敵だった。こんなに幸せになれるなら参列者側はどんどんやりたい。彼と結婚することを躊躇うようになった訳でも、この人じゃないかもと思った訳では決してない。
けれど、改めて( ああ、結婚するという決断は大きいな ) とか、( 結婚式のこの、圧倒的主役感!!!!はちょっとわたしには向かないかも )とか、そんなことを思ってしまったのは事実である。


結婚式はもちろん主役であるふたりのための時間なのだけれど、それと同じくらいゲスト側のための時間でもあるのだなと思った。
恋人同士の頃はふたりの話だけれど、結婚するともなると家同士の話になる。そして披露宴ではそれぞれの会社の関係者同士や、会社の関係者とご両親が挨拶を交わす。物事の流れやマナーとして知っているつもりだったけれど、それを改めてしみじみと感じてしまった。
おふたりのプロフィールやこれまでの人生、「ふたり」としての歩み。あれやこれやすべてを丸ごと共有して、社会に溶けていくみたい。それってちょっとすごいことだ。それでいて、大きなことだ。

健やかなる時も病めるときも、という言葉は勿論知っているけれど、人々の目の前ではっきりと誓うことに重みを感じた。この世にはあんなふうに誓ったとて決別することを選ぶ家庭がごまんといることを知った今だからこそ重みが増す。

わたし、ほんとうにいつか結婚するのかしら。


結婚式したい!とはならなかったけれど、彼に会いたいなとは思ってしまったので、口実にすべくお土産を多めに買って帰った。そんなわたしの急な来訪を迷惑がるどころか「素敵なお召し物に特別な髪型!素敵!いいね!」と何度も褒めてくれて、「せっかく来てくれたから」と遠くの駅まで送ってくれるこの人と一緒にいられることがうれしい。
今はこれで充分すぎるくらい幸せみたいだ。


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