【まくら✖ざぶとん】㉒『上野の大熊猫』
去る七月の七日といえば日本の伝統行事である七夕、全国の良い子たちは願い事を書き込んだ五色の短冊を笹の葉に吊るしたろうかなかろうか、そうそう笹の葉といやぁご当地・上野にて大きな奥歯でさくさくと食っちゃ寝してたジャイアントパンダの織姫・シンシンと彦星・リーリーの間に赤ん坊ならぬ白黒ん坊が五年ぶりに誕生したってのが最近のジャイアントニュース。
パンダの出産は一頭か二頭の二者択一、双子の出生率は五分五分らしいが生まれたのは一頭、前の赤ちゃんが生後六日で亡くなったからには上野界隈の七夕飾りにゃ「赤ちゃんパンダが長生きしますように」の短冊が吊るされたとかいないとか、双子パンダだったら「きんさんぎんさんみたく長生きしますように」でキンキンとギンギンになりかねなかった名前は一般公募。
生みの親と育ての親になれずとも名付け親にならなってみせようと星の数ほど殺到するのはキラキラネーム、パンダ特需に沸き立ち浮き立ち長寿を願ってやまない上野界隈にとっちゃ赤ちゃんパンダならぬ大事大事なお赤さまパンダ、ワキ汗たらして浮き足立ってもよいこらせーの、とどうにかこうにか客寄せパンダに育て上げてられりゃギリギリセーフ。
そんなようなあんばいで五色の短冊も赤・白・黒・金・銀に塗り替えられたし、最後に個人的な願い事「このまくらにもお客さんがぎょうさん押し寄席ますように」を付け加えれば、今日の締めくくりは替え歌。
それではみなさま、頭の中でご唱和ください。
ささの葉 さくさく
おくばで たべる
お赤さま しろくろ
きん ぎん 双子
五しきの たんざく
わたしが かえた
お赤さま きらきら
檻から 見てる
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!