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【まくら✖ざぶとん】㊳『お部屋騒動』
いやはや早いもので年の瀬も近いこの時期、連日連夜にわたって世間をにぎわせているのは蒙古横綱の暴行事件、出家女優に〈運音集衆〉解散と芸能界のお家騒動が続いた今年の締めくくりは角界のお部屋騒動、と思いきや下町の由緒正しき八幡宮では血なまぐさい神社界のお宮騒動も勃発、話題をいささかかっさらわれた感はあるが、今日の一席は〆切の都合でお部屋騒動。
安馬から日馬富士と四股名に「馬」の字が入っていれば馬乗りになるのも請け合い、当事者から事情を根ほり葉ほり聞き出す前の報道にゃ尾ひれはひれ、凶器となった酒瓶はビール瓶にはじまり芋焼酎「魔王」からシャンパンボトルまで情報の錯綜することはらほろひれはれ。
「馬王」の鉄槌を下された貴ノ岩の顔はまさに四谷怪談のお岩さん、暴行の痕が一目瞭然とあらば追い詰め追い込まれた土俵際の土壇場でうっちゃれず引退発表、誇り高き国技に埃を立てるどころか泥を塗ってはしごならぬまわしを外されるのが蒙古横綱のならわし、「手のツッパリなら(まだ)いたんですよ」が教訓たるお題目、力士は力士らしく張り手しておいたならよし。
裏で手ぐすね引いて蒙古互助会に参画した貴ノ岩を刺客に送り込んだのは貴乃花親方の画策、酒席にいる弟子に長文メールを送信すれば携帯いじりがあばれ馬の逆鱗を逆撫でして激高、思惑通りにかわいがられるや警察に被害届け、相撲協会やマスコミに「あどね゛ー!」とは報告せずに黙秘を貫く鉄面皮。深刻化した事態を丸く収めるどころか物言いつけて煽り立て、協会の責任問題になれば理事長の辞任待ったなし、八角ョイ、のこったのこった!
仏頂面で虎視眈々と見据えるは相撲協会の綱取り、前回の理事長選で敗れた怨念を晴らしてトラウマを払拭すべく番付の頂点を綱引きする因縁の年寄に冷や水を浴びせるクーデター、時の首相を感動させた横綱相撲はどこへやら発想飛びたる奇襲工作は技能賞もの。仕上げに生贄の山羊に仕立て上げた愛弟子を「引退」の名分で勘当すれば迷える弟子羊、騒動も一件落着で選挙も一強盤石、部屋の命運を賭けて政治的手腕を発揮したってわけかいな。
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!